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海原「譲れないものがあるんです」

1:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:46:45.45 ID:AjsnGViN0

どうも皆さん、はじめまして。
僕の名前はエツァリ、いえ、海原光貴、と名乗るべきでしょうか。
今は魔術を使って専ら海原光貴の姿で活動していますからね。
昔はアステカの魔術組織に属していたのですが、八月末に上条当麻に敗れたこともあり学園都市で生活しています。
まぁ、彼は僕との約束を守っているようなので彼に対して不満はありません。
現在は土御門元春、一方通行、結標淡希とともにグループとして学園都市暗部で仕事をこなす毎日です。


2:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:48:31.76 ID:AjsnGViN0

そうそう、昨日、不思議な体験をいたしましてね。
それは超能力でも魔術でもない、特殊なものでした。
『神の能力』によって引き起こされた、異世界との交差とでも言いましょうか?
神様と言っても、僕ら魔術師が思い描く神話における神様とは少し違うものでありまして。
お暇な方は少しばかり僕の話につきあってください。
出かけるまで少々時間を持て余していますのでね。


3:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:50:02.27 ID:AjsnGViN0

彼女の名はショチトル。
彼女との関係は……元同僚、とでもいいましょうか。
学園都市に寝返った僕を始末するために仕向けられたものの、原典の力に耐えきれず敗北。
僕が原典を引き継ぐのと引き換えに彼女の体を修復し、今彼女は冥途帰し(ヘブンキャンセラー)と呼ばれる名医のもとで療養中です。
土御門は以前僕と彼女の会話を盗み聞き「義妹?最高だにゃー!俺とお前は同志だぜい!」とか何とか言ってましたが、師弟関係以上のものはありません。


4:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:51:13.12 ID:AjsnGViN0

そしてこの病院にはもう一人僕の知り合いがいます。
トチトリという名の少女で、彼女もまた僕の元同僚です。
ショチトルとトチトリは普段から仲が良く、同じ仕事をすることが多かった記憶がありますね。
ある出来事により、一時期は言葉も発せないほどになってしまっていたのです。
しかし、彼女もまた原典によって修復されたため今はもうある程度は大丈夫なようです。
といっても体の方は問題なくてもまだ意識が回復していないようで、まだ一度も見舞えていませんがね。


5:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:52:21.04 ID:AjsnGViN0

「……また見舞に来たのか。お前も存外暇なのだな。」とショチトルは僕を見て言う。
確かにこのところ丸一日かかる仕事が少なく、ほぼ毎日見舞に来ているのは事実です。
しかし暇を持て余してるわけでもないのですが、まぁ。

「そこまで暇と言う訳でもありませんがね、他ならぬ貴方のためです。見舞ぐらい馳せ参じますよ。」

彼女は僕にとって大切な人であり、その彼女のために見舞に来るのは至極当然なのです。
こう答えるとなぜか顔を赤らめ下を向くショチトル。
何かひとりごちているようですが、その独り言の内容は見当もつきません。

「ショチトル、今日もリンゴ買ってきましたよ。今からむきましょうか?」

「あ、あぁ。お言葉に甘えよう。」


6:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:54:37.81 ID:AjsnGViN0

最初に見舞に来た時も、リンゴを買ってきたのですが、最初は

「フン、誰が裏切り者の持ってきたものなど食べるものか。」

と言われてしまったものです。

「そんなこと言わずに、今むきますからね。」

と言いながらむいても

「だからいらないと言っているだろう。」

と頑なに断られました。
けれども、せっかく果物店の店主が自信を持って勧めてくれたのですから、ぜひ食べていただきたい。

「むけましたよショチトル、はい。」

と口元に一切れ近づけたら、流石に観念したのか、やっと食べてくれたものです。
そういえば、この時の彼女も顔が朱に染まってましたね、一体なぜでしょうか?
風邪気味なのでしょうか、彼女にとって学園都市の空気はそんなに気分が悪いのでしょうか?
僕は学園都市の生活にもう慣れたんですが、日が浅いショチトルには辛いことも多いのでしょうか?


8:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:55:51.71 ID:AjsnGViN0

「おいしかったですか、ショチトル?」

「まぁまぁな。…………ぅ」

いつものように感想を求めるといつものように『まぁまぁ』と答える、かと思ったのだが今日は違ったようだ。

「何か言いましたか?」

普段の感想の後、何かを付け足したように聞こえた。

「……ありがとう。いつも来てくれて、感謝、してる。」

素直に礼を言うだなんて彼女らしくもない、少々驚きました。

「いえいえ、礼には及ばないですよ、好きで来てるんですから。」

彼女に倣って僕も素直な気持ちを伝えると、ポケットに入れていた携帯がバイブする。


9:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:57:21.06 ID:AjsnGViN0

あ、言っておきますがこの病棟は携帯を切らなくても良いことになってるんです。
僕も病院では医療器具への悪影響を考慮して携帯を切る事を知らないわけではありませんよ。
携帯には一通の新着メール、どうやら土御門から急な仕事の召集のようですね。
以前は病室に3人そろって襲撃してきましたが、今回はメールで呼び出しのようですね。

「どうやら急用のようです、また今度きますね。お大事に。トチトリに会えるようになったら連絡ください。」

「……あぁ、必ず連絡する。」

彼女に挨拶を済ませ、僕は病室を後にした。
今彼女が居る世界とは違う、暗黒に満ちた非日常の世界へと踏み出すために……


10:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 12:59:41.64 ID:AjsnGViN0

~~~

海原が出ていったのち、病室にはあからさまに落胆するショチトルの姿があった。

(全く……たまに素直になったというのに……なぜこんな日に限って急に帰るんだ……)

彼は全く気付いていないようだが、ショチトルは海原に惚れているのである。
どこかの主人公並みに鈍感である。

(……エツァリお兄ちゃん……ずっと……ずっと一緒に居たいよ……)


11:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:00:51.22 ID:AjsnGViN0

~~~

「……ここはどこでしょうか……」

確か僕は今さっきショチトルのお見舞いに行った後、仕事の収集場所に向かおうとしたはずだ。
病院から出た時突風を感じとっさに目をとじた。
しかし目を開けたとき視界に入ったのは見覚えのない風景だった。

「座標移動(ムーブポイント)?いや……」

そんなはずはない。
グループの集合時間にはほんの少しだが余裕があったはずだ。
急に飛ばされる理由はないし、何より彼女が飛ばせる範囲には限界がある。
その範囲内に結標淡希の姿が見られなかったのだ。
なぜ急に自分が移動したのか理由を探るため周りを見渡してみる。

「……学園都市とはずいぶん違った雰囲気ですね」

エツァリはどうすべきか思考する。


12:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:01:53.32 ID:AjsnGViN0

「まずは現状の把握をしなければなりませんね」

自分がいるのは先ほど感じたように学園都市とは違う。
暗い路地裏の先に見える大通りには下校時間だろうか、ちらほらと学生の姿が見える。
だがそれと同じくらい、いやそれ以上か、買い物をする主婦などの大人の姿が見られる。
八割が学生である学園都市ではありえない風景。
現在地が学園都市内部では無いと判断したのはこのことが大きい。


13:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:03:30.63 ID:AjsnGViN0

自分の姿を確認するとどうやら服装が変わっているようだ。
先ほどまで来ていた服と違い、今身にまとっているのは緑色を基調としたブレザーだった。
大通りにいる人の中にも同じ制服を身にまとった学生が見受けられる。
どうやら槍や原典といった荷物は変わっていないようだが、服装だけすっぽりと変わっている。
ブレザーの内側には原典がホルスター内部に入っていたし、片手に下げていたかばんには2冊目の原典も入っていた。
ブレザーの左胸のポケットを探ると、生徒手帳と思われる代物があった。
それを開いて見てみると、

「県立北高校1年、海原光貴……厄介事に巻き込まれたことだけは、確かなようですね」


14:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:05:29.27 ID:AjsnGViN0

その時、誰かから声をかけられた。

「おい古泉、こんなところでぼーっと突っ立って何をしてるんだ」

急に男性の声が聞こえたためとっさに身構える。
威嚇のためトラウィスカルパンテクウトリの槍を相手につきつけた。
声をかけてきたその少年は高校生であろうか、彼の制服は僕が着用しているそれと同一のものだった。
不思議なことに、槍をつきつられけたというのに気だるそうな顔をして驚きもしない。


15:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:06:24.56 ID:AjsnGViN0

「……貴方は何者ですか」

その男はため息交じりに答えた。

「むしろこっちが聞きたい。人違いをしたのは悪かったがそんなものを向けることないだろう」

どうやらこの男は自分を古泉という男と見間違えて声をかけてきたようだ。
早とちりをしてしまったと思い、とりあえず槍を下ろす。

「これは失礼をしました。僕は海原と言います。」


16:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:07:36.98 ID:AjsnGViN0

自分の早まった行動に後悔する。

「……はじめまして、俺は」

と彼が自己紹介しようとしたところ、後ろから別の声が聞こえた。

「ちょっとキョン!今日は私の買い物につきあってくれる約束でしょ!道草食ってんじゃないわよ!」

声の主は黄色いカチューシャをつけた元気そうな少女。

「あぁすまん、ちょっと行けなくなっちった。知り合いに出くわしちまったからな。」

このキョンと呼ばれた男……どういう意図があって僕を知り合いと呼んでるのだろうか。
先ほどの女の子は

「何よもう!本屋で続きを仕入れるつもりだったのに!」

とか言いながら行ってしまった。


17:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:08:41.54 ID:AjsnGViN0

人目に付かない路地裏に移動して、

「さて、いくつか聞きたいことがある。」

と発言したことから、彼がここに残ったのは尋問のためと分かる。

「お前はあれか、未来人か?宇宙人か?それとも超能力者か?」

「…………は?」

反応しきれずに疑問符が出てしまう。

「とぼけなくて良い。俺だって1年くらいハルヒに振り回されて慣れたからな。そんな槍なんぞ持ってるのに一般人だと言われても納得いかん。」

どうやらこの槍をアニメーションや特撮と言った空想上の代物と勘違いしているようですね。
魔術の存在を知らないということは科学の領域の住人なのか、はたまた何も知らないだけなのか……。


18:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:09:43.04 ID:AjsnGViN0

とりあえず彼の質問に正直に答える。

「未来人・宇宙人でもなければ超能力者でもありません。言うなれば魔術師、ですかね。」

「魔術師だと?そいつは一体な」

彼が言い切る前にPrrrrと携帯がなる。
僕のものではなく、キョンと呼ばれた少年に電話がかかってきたらしい。


19:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:10:55.60 ID:AjsnGViN0

~~~

またハルヒ絡みで新しいキャラクターが出てくんのかと思ったが、どうも話がかみ合わない。
古泉によく似たイケメン野郎は魔術師がどうとか言ってやがって良く分からん。
そんなことを考えながら着信音を発する携帯を見ると、古泉から電話がかかってきている。

「海原、だったな。ちょっとすまん。」と一声かけてから電話にでる。

『どうも、古泉です。急に閉鎖空間が出現したんですが、一体何をしたんですか?』

そんなこと知らんがちょうどいい、お前に聞きたいことがある。

『聞きたいこと?一体なんでしょう?』

ハルヒ絡みだと思うんだが変な奴に出くわしちまってな。
閉鎖空間のほうが収拾付いたならこっち着てくれないか?

『お安いご用です。すでに鎮圧しましたからね、数分でそちらに到着するでしょう。』


20:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:12:04.81 ID:AjsnGViN0

~~~

電話に出た彼は携帯での通話が終了したようで、またこちらに顔を向けた。

「貴方、先ほどの女の子にキョンと呼ばれてましたね。ところでキョンさん、変な奴とは僕のことですかね?」

「お前以外にだれがいる。と言うかお前まで俺をキョンと呼ぶのか」

落胆しながらの発言だったので、どうやらキョンと呼ばれるのをあまり好ましく感じていないように思われる。
けれども、彼の本名を聞くタイミングを逃したのでこのままの呼称で意思疎通を続けることにする。


21:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:13:00.05 ID:AjsnGViN0

「先ほど超能力者、と言いましたね?ここは学園都市の中なんですか?どこの学区でしょう?」

「学園都市?超能力者なら知ってるが、あの人たちは全員機関の人間だぞ?出身地なんぞ知らんが、そんなけったいな場所出身ではないと思う。」

どうやら正確に情報を伝達出来ていないようだ。
どうやって情報を収集しようかと考え込んでいると近くに車の止まる音がして、音のした方向から一人の少年が歩いてきた。


22:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:14:10.86 ID:AjsnGViN0

音から判断するに、車は彼を下ろしたのちすぐに発進していったようだ。
こちらに近づいてくる少年も彼および僕と同じ制服を着ていて、風貌は海原光貴そっくりだった。
キョンさんが間違えた古泉と言う男は間違えなく彼であろう。
普段海原の姿を借りているため人違いされたのだろう。
僕自身、つまりエツァリとしての姿で居れば人違いされずに済んだのかもしれない。
そんなことを考えていると、目の前の少年らは何か話し始めた。


23:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:16:16.59 ID:AjsnGViN0

~~~

「言われた通り来ましたよ。ところで、彼が先ほど電話で言ってた変な人、ですか?」

やっと来たか古泉、こいつも多分超能力者とかそういった類だと思うんだがな。
いきなり槍なんぞ向けてきたから『ハルヒ関係か』と聞いたら『魔術師』とか言いやがる。
お前ならどんな奴なのか分かるかも知れんと思って呼んだんだ。

「なるほど。ですが、『魔術師』と言われてもそんなものが存在するんですかね?」

俺が知るかそんなこと。
どうやら古泉も分からんらしい、また長門に頼るしかないのか。


24:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:17:07.15 ID:AjsnGViN0

とりあえず長門に連絡を取る前にこいつが敵かどうかだけでも知っておきたいな。

「それについては同感ですね。ところで、彼にはどのくらい喋りましたか?」

ハルヒ絡みかと聞きはしたが、ハルヒのこと自体は伏せてある。
必要以上のことを話す必要はないしな。

「とりあえず彼の正体を探るためにこちらの正体を明かしましょう。」

おいおい、そんなことして大丈夫なのか?
悪い奴には見えんが、良い奴とも限らんぞ。

「大丈夫です。彼が敵にしろ味方にしろ長門さんの力を借りる必要がありそうです。だから長門さんには申し訳ないですが」

なるほど、たとえ何か問題あっても長門の情報操作があれば問題ないってわけだな。

「その通りです。なので彼に話を伺いましょう。」

今はとりあえずそうした方がいいみたいだな。


25:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:19:09.30 ID:AjsnGViN0

~~~

この少年らは僕をどう扱おうか悩んでいるようで、僕も同じくどうすればいいか悩んでいた。
槍を向けた時の対応からしてキョンという少年はある程度の場数は踏んでいるように思われる。
しかし彼の一挙手一投足は素人のそれであり、魔術師のにおいを感じさせない。
戦闘に遭遇するのに慣れているのにもかかわらず、戦い慣れはしていない。
ならば超能力者か、とも思ったがここはどう見ても学園都市とは違う場所である。
それ以外の可能性としてあげられるのは……原石。
上条当麻の幻想殺し、姫神秋沙の吸血殺し、そして世界最高峰と称される第七位の削板軍覇などが原石に当たる。
しかし、学園都市暗部にいるためそういった情報にも詳しいが、原石のリストの中に彼のようなものはいない。


26:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:20:23.94 ID:AjsnGViN0

思い悩んでいると、体が急激に何かを感じた。
これは、魔術。
何者かが魔術を行使した。
一瞬だったためどのような魔術師だったのかは分からないが、確かに魔術の痕跡を感じたのだ。
目の前の少年らを観察するが、彼らはただ話をしているだけで魔術的な仕草は見受けられない。
今感じたものは一体だれが何の目的でどのような魔術をしかけたのか?
もしかして自分が今置かれている状態も得体のしれない魔術師のためか?
疑問はどんどんと膨らんでいく。


27:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:21:11.90 ID:AjsnGViN0

膨れ上がる疑問に答えを見つける間もなく、彼らが声をかけてきた。

「海原さんですね、はじめまして。僕は古泉一樹といいます。機関の超能力者です。」

超能力者と聞き、ここはまだ僕が知らない学園都市のどこかなのかと思いつつ質問をする。

「古泉さん、あなたの能力は、そしてレベルはいくつですか?」

超能力者だとしたら相手の能力を知っておくにこしたことはない。
まだ敵か味方かも分からないが、情報を収集するのは自分の身を守ることに直結する。
彼の解答は思いもしないものだった。


28:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:22:39.44 ID:AjsnGViN0

「レベル?一体なんですかそれは?超能力者は総じて神人を倒すためのものです。」

この会話から、ここが学園都市では無いことを知る。
しかし、学園都市でもないのになぜ超能力者がいるのか?
疑問は湧いてくるばかり。

「古泉さん、キョンさん、貴方達のことを教えていただけませんか?それもできるだけ詳細に。」

まず自分がやるべきことは自分がどのような状況に置かれているか知ること。
話を聞いて仮に敵対組織の人物だとしても2対1なら何とかやれる。
そう結論付け、彼らに話を聞かせてもらえるよう懇願した。


29:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:24:11.74 ID:AjsnGViN0

彼らは情報の開示を容認し、話し始めた。
裏があるのではと勘繰りたくなるほど事細かに説明してくれた。
未来人・朝比奈みくるのこと、宇宙人・長門有希のこと、超能力者・古泉一樹のこと。
そして、彼らがSOS団を結成するきっかけとなった一般人・キョンのこと、SOS団長にして世界を改変させるという神様に匹敵する能力を持つ涼宮ハルヒのこと。
簡単には信じられない話だったが、彼らに嘘を付いている様子は見られない。
そして話を聞いているうちにあることに気がついた。


30:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:26:18.70 ID:AjsnGViN0

「キョンさん、その涼宮さんは自己紹介の時なんと言ったかもう一度おっしゃっていただけますか?」

この返答次第で僕がここにいる理由が解明されるかもしれない。

「確か

『ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上』

だった……っておい、まさか……」

なるほど、おそらく僕がここに来てしまったのは彼女、涼宮ハルヒの能力のためだ。


31:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:27:49.69 ID:AjsnGViN0

僕の質問を聞いて彼らも同じようなことを考えたのだろう。

「あんた、もしかして違う世界の住人、なのか?」とキョンさんが尋ねてくる。

「それも、超能力者が一般的に存在するような世界の住人。」と古泉さんが言葉を続ける。

「おそらくそうでしょう。そう考えれば大体のことが納得できます。」

なぜ急に違う場所にいたのか、なぜ服装が変わったのか、なぜ話が噛み合わないのか。
しかし、それでもまだいくつか問題点が残っている。
この世界に呼ばれたきっかけが何かと、先ほど感じた魔術の痕跡が何だったのか、この二点だ。


32:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:29:19.00 ID:AjsnGViN0

彼らに僕が呼ばれたきっかけに思い当たりが無いか聞いてみる。
するとキョンさんがこう答えた。

「そう言えば古泉、最近の団活中はハルヒの奴珍しく本読んでるだろ?」

「そうですね。いつもはパソコンをいじっていることが多いですが、今日は読書していましたね。」

「その本が映画化されるほど流行ってるライトノベルらしくだな、もしかしたら」

二人は会話に没頭していく。


33:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:30:53.27 ID:AjsnGViN0

「本の世界に魅了されて、本の設定に酷似した世界の住人を呼び寄せるような改変をした、ということですか?」

「おそらくそうだろう。今日帰り本屋で続きを買おうとしてたみたいだしな。」

「涼宮さんは本屋に行かれたんですか?そう言えば帰り道貴方達一緒でしたよね?今涼宮さんはどちらに?」

今の彼の発言から察するに、さっきまでキョンさんが一緒にいた黄色いカチューシャを付けていた女性が涼宮ハルヒなのでしょうね。
見た目は普通の少女だったのに神様みたいな力があるとは一概には信じられない話です。

「一緒に行く約束だったんだがな、海原に会ったから一人で行かせた。」


34:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:32:17.11 ID:AjsnGViN0

二人だけで話を進めていくため理解が追いつかないかもと思いましたが、その心配は杞憂でした。
先ほどまでの彼らの会話を考慮に入れると、僕がこちらに来たきっかけはおそらくそのライトノベルでしょう。
問題はこれからどうやって元の世界に戻るか、ですね。
彼らの話を聞くに宇宙人であるという長門さんに協力を要請するのが一番現実的でしょう。
本当に宇宙人なんて居るとは信じにくいことなので現実的と言っていいかは微妙なところですがね。
こちらの世界に迷い込んだ以上涼宮さんの改変能力は本物のようですから、宇宙人の存在も事実なのでしょう。


35:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:33:00.93 ID:AjsnGViN0

「キョンさん、古泉さん。原因はそのライトノベルということで十中八九決まりでしょう。」

「あぁ、そのことについては俺らも同意見だ。」

「えぇ、それで確定といっても問題ないはずです。」

彼らも僕がこちらに来たきっかけに関して同じ結論に至ったようです。

「それで、僕は元の世界に戻りたいのですが、協力していただけますか?」

協力が得られなければ僕が戻るのは絶望的になるでしょうからぜひ力を貸していただきたいものです。

「お安いご用です。機関も力をお貸ししますよ。」

「ま、乗り掛かった船だからな。協力しよう。」

「ありがとうございます。」


36:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:33:51.45 ID:AjsnGViN0

協力が得られることになったため、情報統合思念体のインターフェース、すなわち宇宙人の長門さんのことを詳しく聞こうとしたその時だった。
僕ら三人の視界に二人の人物が映った。
先ほどまで路地裏には人っ子一人見えなかったはずだ、人目に付かないようにと移動したのだから。
それなのになぜだろう、二人は何の気配も感じさせることもなく不意に現れた。
一人は青い長髪でセーラー服をまとった女性。
姿だけ見れば可憐であるが、右手に握っているナイフが異様に目立っている。
そしてもう一人は僕が良く知る人物だった。


37:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:35:23.57 ID:AjsnGViN0

「テクパトル……なぜ……なぜここに居る!」

20代後半のその男は、テクパトル。
かつてトチトリを原典『ウサギの骨』の長距離射撃の弾丸として扱い彼女を苦しめた男だ。
先ほど感じた魔力はテクパトルのものだったのかと見当をつける。
彼もこちらに呼び寄せられていたとでも言うのか?
いやそれ以前に、テクパトルは確かに原典の『その知識をもっとも広める物に味方する』という性質によって原典の攻撃を受け倒れたはずだ。
それなのになぜ生きている?


38:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:36:25.90 ID:AjsnGViN0

隣にいたキョンさんも疑問に声を上げる、「なぜ朝倉が?」
その問いに答える青い髪の少女、朝倉。

「久しぶりねキョンくん、そっちの古泉君に似た人は初めましてだよね。
 急進派によって再構成されたの。涼宮さんが異世界人の居る世界に改変したときに、ね。」

「ま、小難しいことはどうでもいいんだ。死んだと思ったが気が付いたらこの女に協力しろと言われたんだ。
 女の言うことはいまいちよくわからんが、俺としてはエツァリ、お前に復讐を果たせればそれで良い。
 アステカの舵をかけ、再び勝負をしようではないか、互いの誇りをかけた正真正銘最後の決闘をな!」


39:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:37:34.75 ID:AjsnGViN0

~~~

時はさかのぼること半時ほど前。
テクパトルは不意に目を覚ました。

(ここは一体……俺はエツァリにやられたはずだ……ここは潮岸のアジトでは無いようだが……)

混乱しているテクパトルのもとに少女が現れる。

「気がついたようね。私は朝倉涼子。情報統合思念体のインターフェース、まぁあなたに分かりやすいように言えば宇宙人ね。
 あ、疑わないでね。あなたが蘇られたのもこの私のおかげなんだから。」

(……頭いかれてんのかこの女……)とテクパトルはさらに困惑した。


40:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:38:53.15 ID:AjsnGViN0

困惑が表情に表れていたのだろう、朝倉涼子は続けて言った。

「ま、信じられないのも無理ないでしょうけどまずは話を聞いて。ここはあなたが居た場所とは違う世界なの。」

少女の説明は続くが、その間もテクパトルの困惑がとけることはなかった。
テクパトルは彼女の説明を聞き終わると、納得がいかない部分は多々あったものの話の大筋は理解したようだ。


41:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:40:07.71 ID:AjsnGViN0

「アンタの話は長くてかなわんな。ようは改変能力があると言う涼宮の手によってこの世界に来た異世界人がエツァリで、
 二つの世界がつながった時にアンタの親玉が俺の魂に気づいて、アンタを復活させて俺を蘇らせたと。」

「えぇ、大体そんな感じよ。」と少女は相槌を打つ。

「そして俺を蘇らせえたのは、俺を利用してエツァリを殺すことで涼宮に影響を与えるため、ってことだな。」

「理解が早いのはありがたいわね。涼宮ハルヒも自分の手で呼び寄せた異世界人が殺されれば、アクションを起こすに違いない。
 きっと大きな情報爆発が起こるわ。急進派としてはそれぐらいして色々と観測したいのよ。で、テクパトルだったわね、協力するわよね?」


42:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:42:02.50 ID:AjsnGViN0

テクパトルは考える、生き返ったのはコイツのおかげではあるようだが協力する義理はあるのか、と。
蘇らせてもらった恩はあるが、彼にとっては恩を仇で返すなど日常茶飯事である。
しかし、彼にとって一点、ただ一点だけ、興味深い事項があった。
エツァリに復讐を果たす事が出来る、にっくき裏切り者をこの手で殺すことができる。
テクパトルにとってはこの一点以外はもはやどうでもよかった。

「……良いだろう、協力してやる。アイツをこの手で殺せるのならな!」

「良い返事ね。それじゃあ行きましょう、彼を殺しに。」

ここにひとつのコンビが生まれた、海原にとって最悪のコンビが。


43:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:43:02.29 ID:AjsnGViN0

~~~

キョンがトラウマを持っている少女、朝倉涼子が再構成された。
海原、つまりエツァリが最も嫌悪すると言っても過言ではない男、テクパトルが蘇った。
キョンと古泉は自分の世界について説明したが、海原の説明をいまだ聞いていない。
ゆえにエツァリと言う名には覚えがない、にもかかわらず海原光貴とエツァリが同一人物を示していることが分かった。
目の前に立っているテクパトルと呼ばれた青年の尋常でない視線によってだ。
海原をにらんでテクパトルは言う。

「フン、あまりのことに声も出せんか、だったらこちらから行くぞ、エツァリ!」

テクパトルが叫んだ瞬間、一つの影が動いた。


44:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:44:04.28 ID:AjsnGViN0

動いたのは朝倉涼子の影だった。
彼女は右手のナイフを海原の居る方向、正確には彼が持っている鞄に向け、何かを早口に唱えた。
刹那、彼女の手からナイフが消失し、海原の鞄の中に入っている原典がそこからテクパトルの左手へと移動したのだ。

「女、良くやった。『ウサギの骨』を食らうが良い!」

テクパトルが叫びながら右手を突き付けると多数の閃光が生まれ、海原ら三人に襲いかかる。

「っ!キョンさん、古泉さん!危ない!」


45:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:46:03.82 ID:AjsnGViN0

海原が突き飛ばしたため、間一髪、キョンと古泉は何とか避けることができた。
しかし海原は避けるのが遅れて足に少しの傷を負ってしまった。
その姿を見て声をあげて笑うテクパトル。

「はっはぁ!いいねぇ、もっと傷つけ、肉体の痛みに絶望の悲鳴を上げろ!」

このままではいけない、海原は思考する。
なぜ『原典』が移動した、奴と一緒にいる少女は何者だ、まずはそれを知らなければ。


46:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:46:54.51 ID:AjsnGViN0

「二人とも、ナイフを持っていたあの女性は知り合いですね、一体何者ですか?」

急な攻撃に興奮しつつも海原の問いに答える二人。

「あ、朝倉涼子だ。あれも長門と同じ宇宙人だ。」

「長門さんとは考え方が違うので、端的に言えば僕らの敵、ですね。」

(……なるほど宇宙人ですか、本当に宇宙人なんて居るんですね。)
だから原典を空間移動なんて人間離れしたことをやってのけたのか、と海原は納得した。
彼女の方に視線を向けると、なぜか既視感を覚えた。


47:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:48:04.36 ID:AjsnGViN0

まるでイカの脚のように揺らめく朝倉の人差し指。
これはトチトリの時と同じ、ウサギの骨の代用として消費されたのだ。
それを見て驚く海原らを見てテクパトルはまたも愉快そうに笑った。

「はっ、コイツは良いや!ショチトルやトチトリみてぇな使えねえ部下と違って痛がらねぇし変な力もあるし便利な女だ!今度こそ、今度こそ俺の手でエツァリに引導を渡せるぜぇ!!」

確かに朝倉は苦痛に顔をゆがめるようなことはしていなかった。
しかし、海原にあの時のトチトリを思い出させるには十分な光景だった。


48:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:49:06.14 ID:AjsnGViN0

「……キョンさん、古泉さん、なるべく下がっていてください。」

海原は二人にそう声をかけた。

(テクパトル、また、また他人を駒にして戦うんですか。
 宇宙人だから痛みを感じないとか、情報操作と言う力があるとか、そんな些細なことは関係ない。
 あの時と同じように戦うと言うのなら……)

海原は怒りを感じていた、しかし怒りに身を任せているのではない。
あくまでも冷静で、雰囲気はあまりにも静かだった。
海原の顔から皮膚が剥がれていき、褐色の素顔、エツァリとしての素顔があらわになって行く。


49:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:50:07.63 ID:AjsnGViN0

海原光貴は決して善人でもないし主人公でもない、いや、なかった。
あの男のように目の前の人すべてに手を差し伸べることも、
別の男のように過去の過ちを悔いて正しき道に憧れ行動する事も、
また別の男のようにただ一人の大切な人のためにすべてを投げうって戦うことも、
どれも出来やしない。
だが、

(……他の誰でもない、この僕の手で……)

彼にもヒーローとしての素質はあるのだ。
自らの仲間であった少女らのため、先ほど会ったばかりの少年らのため、戦うことを決意したとき、

(……全てを終わらせましょう!)

海原光貴もまた、物語の主人公となるのだ。


50:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:51:23.60 ID:AjsnGViN0

「戦う気になったかエツァリ。おい女、きちんとフォローしろよ。アイツを殺すんだ!」

テクパトルの叫びを聞きながら海原は考える。

(先ほどの怪我はまだ問題ないレベル……動けるうちにキョンさん達から距離を離しておかないと……
 テクパトルのほうは良く知ってるから対策が立てやすい。問題は朝倉という宇宙人の方ですね……
 長門さんの情報操作の話は先ほど聞きましたが、それと同等の力を持ってるとすれば……これはてこずりそうですね。
 ……とりあえず……)

左足を力強く踏み出し、そのまま駆け出す。

(このまま逃げるふりをしてまずは時間を稼ぐ……テクパトルが『ウサギの骨』を射出した後は宇宙人と言えど骨を治すのに少々時間がかかるはず。
 つまり修復の間は原典による攻撃はないと考えていい。その一瞬を狙ってまずは槍で奴の左手を分解し、原典を手放したところで一気に距離を詰める!)


51:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:52:12.22 ID:AjsnGViN0

そう考えていたが海原は見た。
朝倉涼子の右腕全体が不自然に揺らめくのを、テクパトルの右手に先ほどまでとは比にならないほどの妖しい光が集まっているのを。

「本当に便利だなぁ、この女。この威力、果たして逃げきれるかなぁ、エツァリぃぃ!」

テクパトルの手が強烈に発光し、海原に雨のような攻撃が降り注いだ。


52:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:52:58.89 ID:AjsnGViN0

「はっはっはっはぁあ!やった、やったぞ、エツァリをこの手でやったんだ!」

先ほどまで海原が居た空間には煙が広がっている。
テクパトルは高らかに笑い声をあげながら朝倉の方を見る。
テクパトルは彼女の右腕はすでに修復を終了して、彼女も満足しているに違いないと考えていた。

「……チッ」

しかし、朝倉涼子の右腕は予想通り修復し終えていたものの、彼女は満足している様子ではなく、舌打ちをしていた。

「どうした女、何か不満でもあるのか、ちゃんと要望通りアイツを殺してやったんだぞ。大満足じゃないか。」

朝倉は煙の中心を一心に見つめている。
煙が晴れていく、そこには……


53:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:53:45.83 ID:AjsnGViN0

「あなたのプログラムは甘い。以前の独断行動時よりは気を配っていたようだが、まだ甘い。彼からの連絡がわたしに届いた。」

海原を庇うように透明な防護壁が張られており、その中心にはショートカットの可憐な少女がいた。

「……僕を助けてくれたんですね。貴方は一体……」

海原の窮地を救ったのは。

「わたしは長門有希。情報統合思念体のインターフェース、それがわたし。」

SOS団の団員にして宇宙人である、長門有希その人だった。


54:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:54:26.49 ID:AjsnGViN0

~~~

海原が二人に離れてるように発言した後。
キョンと古泉一樹は一体何をしていたのか。
あまりの恐怖に腰を抜かしていた?
あまりの事態に気絶してしまった?
そんなわけがない。
彼らはその時……


55:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:55:27.29 ID:AjsnGViN0

~~~

おいおい、展開が速すぎてついていけないぞ。
朝倉と外人のおっさん(と言うには少し若いかも知れんが、俺らに比べれば十分おっさんだ)が攻撃を加えてくるし、
海原は俺らに離れてろって言ってるし、一体何がどうなってんだ?

「僕らには怪我はなかったですけど、彼、右足少し切れていますよ」

本当だ、海原の奴、俺らを庇ってくれたのかっておい古泉、海原の顔が変わってくぞ、あれが魔術ってもんなのか?

「そのようですね。彼は正真正銘の魔術師、というものなのでしょう。
 残念ながら僕も貴方も一般人ですからね。宇宙人らに襲われている今、彼を頼らざるを得ない状況のようです。
 僕は閉鎖空間以外では超能力も使えませんから、協力できません。僕にはね。でも……」

そうか、長門に連絡がつけばどうにかなるかもしれないのか。

「そう言うことです。今は襲ってきた二人とも海原さんに集中していますから、今のうちに助けを呼びましょう。」


56:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:56:16.33 ID:AjsnGViN0

携帯を取り出し長門の携帯に掛ける。
出ろ、出てくれ、長門……

「もしもし、わたし。気づくのが遅れた。」

出てくれたか長門、もしかして出てくれないんじゃないかとひやひやしたぞ。
電話に気づくのが遅れたぐらい問題ない、それよりだな

「そちらではない。」

そっちじゃないって、じゃあ何に気がつくのが遅れたんだ、長門?

「異世界人の出現、及び朝倉涼子の再構成に気づくのが遅れた。」


57:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:57:14.08 ID:AjsnGViN0

事情は大体知ってるのか?

「わたしの情報網から異世界人の出現などの情報が意図的に隔離されていたが、朝倉涼子のプログラムが甘かったため気づくことができた。
 既に情報は収集し終えたためおおよその事情は理解していると思ってくれて構わない。」

長門、異世界人の海原がピンチなんだ、力を借りたい、頼めるか?

「もうそちらに向かっている。任せて。」

頼むぞ、長門よ。


58:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:58:19.62 ID:AjsnGViN0

~~~

「おいおい、せっかく殺したと思ったのになんだあのチビ女は?答えろ女!」

殺ったつもりでいたのに失敗していて怒り狂うテクパトル。

「あれは長門有希、私と同じ情報統合思念体のインターフェースね。私とは操り主が違うから敵と思ってくれて構わないわ」

思わぬ邪魔が入ったため表情に苛立ちがにじみ出ている朝倉涼子。

「ふーん……こっちは魔術師と宇宙人で、あっちも同じか。条件は一緒だな、思う存分殺してやろうじゃないか!」

「そうね、長門さんまでいなくなればきっととてつもない情報爆発が観測できるわ。」

(……なんかナチュラルにスルーされてませんか僕ら)

(その方が良いだろ。最初に標的にされたりしたらたまったもんじゃない)


59:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:59:00.78 ID:AjsnGViN0

「長門さん、僕はあの男と決着をつけなくてはなりません。協力していただけますか?」

怒りで我を失うのではなく、あくまで冷静な海原光貴。

「もちろん。わたしはあなたの力になるために来た。」

同様に沈着冷静な長門有希。

「ありがたいものです。それでは、行きましょう!」

「了解した。これよりパーソナルネーム海原光貴に敵対する人物二名を敵性と判断する。」

ここに魔術師&宇宙人のタッグバトルが勃発した。


60:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 13:59:59.09 ID:AjsnGViN0

「もう一度食らうが良い!女、今度は両腕差し出せ!」

朝倉涼子の腕を弾丸として、テクパトルが再度原典を使用する。

「まずい、さっきの威力以上の攻撃を防御するのは難しい。アレを受けてしまえば防御シールドが崩壊してしまう。
 このままではこちらが圧倒的に不利。」

長門がその表情にほんの少しの焦りを浮かべた。

「あらあら、長門さんが焦るだなんて珍しいわねぇ。さぁテクパトル、とっとと殺しちゃって。」

「言われなくてもそうするさぁ!食らえぇぇ!」

テクパトルの手から無数の光が放たれる。


61:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:00:32.79 ID:AjsnGViN0

しかし海原の表情に焦りはない。

「そう何度も同じ手が通用すると思わない方が良いですよ!」

海原の声に呼応するかのように、突如『原典』が彼の制服内のホルスターから伸びてきて、細長い書物は光を発しながら海原の右手を覆った。
それはまるでボクサーが腕を保護するためにグローブの下に使用するテーピングのようであった。

「テクパトル、まさか貴方、僕が原典の所有者であることを忘れたわけではないでしょうね?」

海原は放たれた無数の光を見つめ、いや睨みつけ、原典をまとった掌を向ける。


62:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:01:23.12 ID:AjsnGViN0

彼の原典の迎撃用記述内容は 『武具を持つ者への反撃』 である。
以前の所有者ショチトルは、武器を持っている人を自害させる術式を使用していた。
彼は原典を少しずつ使いこなせるようになり、ショチトルとは違う術式を組み込んだ。
それは、

『自らの方に向けられた攻撃は超能力であれ魔術であれそのまま跳ね返す』

というもの。
グループの仲間であるベクトル変換を使う超能力者を参考に組んだ術式だ。
この術式はあまりにも強烈で、使用すると同時に原典の知識が膨大に流れ込んでくるため、まだ連続使用はできない状態にある。
しかし、強力な術式だからこそ、窮地を脱しチャンスを作り出すことができる。


63:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:02:41.27 ID:AjsnGViN0

海原の右腕にある原典が強く発光し術式が発動、『ウサギの骨』の射出攻撃はそのままテクパトルらに向かって行った。

「なに?クソっ!女、あそこのチビみたいに防御しろ!」

「今は無理よ!腕を修復しなきゃ情報操作なんてできない!」

「使えねえ野郎だな!っじゃあ身代りにでもなってろ!」

テクパトルは隣に立っていた朝倉涼子の背中を勢いよく押し出し、そして後退した。
結果として前に躍り出た朝倉だが、もともとの出力が大きかったため、逃げ出したテクパトルにまで無数の光が降り注いだ。


64:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:03:45.51 ID:AjsnGViN0

あまりの威力に原典を落としてしまうテクパトル。

「長門さん、アイツが落とした石板をこちらに持ってくることは可能ですか?」

右腕にある原典がホルスター内部に戻っていくのを確認しながら海原は尋ねた。

「その程度なら可能。今すぐ実行する。」

長門がそう言った直後、テクパトルがボロボロになりながらも拾おうとした原典は海原の左手に移動した。

「形勢逆転ですね、テクパトル。他人を犠牲にして自分だけ助かろうとは、どれだけ腐っているんですか。観念してください。」


65:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:04:37.19 ID:AjsnGViN0

「クソ野郎が、まだ負けたわけじゃねぇんだ、おい女!お前はチビをやれ、こうなりゃ刺し違えてでも殺してやらぁ!」

テクパトルは原典の攻撃をもろに受けて傷ついた朝倉にそう言い放つと、右手を振るい巨大な剣を出現させた。
マクアフティル、ノコギリのように引き切るためのアステカの戦士が使用する両刃の刀剣。

「……まったく、使い勝手が荒いわね……どっちが利用しているのか分からないじゃない……」

朝倉も立ち上がり、消え失せていたナイフを出現させる。

「エツァリよぉ、テメェは甘ちゃんだから、他人を弾丸とするその原典は使いこなせんよ。今度こそ殺ってやるよぉぉぉ!」


66:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:05:22.45 ID:AjsnGViN0

朝倉は先ほど出現させたナイフを基にして宙に多数のナイフを作り出していた。
テクパトルは刀剣を構え海原に向かって走り出していた。

「長門さん、あの宇宙人は頼めますか?決着をつける時が来たようですので。」

海原は覚悟を決めた、今回の騒動に終止符を打つ覚悟を。

「了解した。あなたが勝つことを祈っている。」

長門は朝倉の攻撃にそなえ身構え、何やら早口で唱えて始める。

「負けませんよ。いえ、負けるわけにはいかないんですよ、どうしても。」

海原はテクパトルのもとへ駆け出す、この戦いを終わらせるために。


67:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:07:35.29 ID:AjsnGViN0

海原とテクパトルの間は1メートルほどにまで縮まっていた。

「食らえエツァリぃぃぃぃぃ!!!」

刀剣を大きく振りかぶるテクパトル。
テクパトルは考える、原典さえ使えなければこの程度の奴取るに足らない、と。
確かに海原はもうホルスター内部の原典は使えない、彼が取りだしたのは。

「な、なんだとぉ!?」

金星の光を基に、光線を受けたもの全てを分解する、トラウィスカルパンテクウトリの槍。
その照準を確実に合わせるために海原は接近していったのだ。


68:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:08:21.20 ID:AjsnGViN0

(エツァリの野郎、俺を分解するつもりだったのかぁ!?ちっくしょぉがぁぁあ!!)
テクパトルは刀剣を大きく振りかぶっていたが、持ち前の身体能力ととっさの判断で刀剣を盾として使用した。

(へっ、なんとか分解は免れたみたいだなぁ。)

二人の間に分解された刀剣の残骸が散る。
間一髪で槍の攻撃を防いだテクパトルは高らかに笑った。

「はっはっはぁ、残念だったなぁエツァリぃ!こうなったら直接殴り殺してやる!」

テクパトルは再び海原に踏みよっていく。


69:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:09:04.42 ID:AjsnGViN0

~~~

朝倉涼子は発生させた無数のナイフを投げつけようとする、が。

「あなたのプログラムは前回の事件で既に解析済み。対策は講じやすい。」

長門によってすぐに消滅させられる、そして。

「情報連結解除、終了」

彼女がそう言うと、朝倉の体も足元から粒子となって消滅していった。

「……あーあ、まただめだったのか。残念だったなぁ。でも、もし次があれば次こそ……」

最後まで言い切ることなく、朝倉涼子は消滅した。

「こちらは終了した。彼の方は……」


70:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:10:00.37 ID:AjsnGViN0

~~~

槍が分解したのは刀剣の方であったが、海原はうろたえない。
彼の照準は最初からテクパトルでは無かった、マクアフティルの方であったのだ。
彼は槍を手放し、刀剣の残骸を右手で握り締めた。
そして左手で抱え込んでいたもう一冊の原典に対し組み込んだ術式を使用する。

もうひとつの原典の迎撃用記述内容は『長距離射撃』である。
テクパトルはそれのもととなった暦石の記述にのっとり、人体をウサギの骨の代用として弾丸とする術式を組み込んでいた。
では、海原が組み込んだ術式とは。

『ウサギの骨の代用に鉱物を弾丸として使用し射出する』というものである。

そして、刀剣マクアフティルは玉髄と呼ばれる白色の石器でできている。
つまり、彼の狙いは……


72:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:10:44.41 ID:AjsnGViN0

「これで終わりです、テクパトルぅぅぅぅ!!!!」

彼の狙いは、テクパトルの武器を分解し、その残骸を銃弾として原典を使用する事だったのだ。
原典がその術式を発動させ、彼がつかみ取った刀剣のなれの果てが光球へと変貌する。
そして、その光球は発射され。

「く、くそぉぉぉぉ!!!」

殴りかかろうとしてきたテクパトルへと直撃した。

「……ふぅ、これで終わりましたね。」

こうして、テクパトルとの最後の戦いは幕を下ろした。


74:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:11:27.19 ID:AjsnGViN0

~~~

「終わったみたいですね。ずっと空気でしたね、僕ら。」

だからさっき言ったろ古泉、標的にされたらたまったもんじゃない、空気みたいな扱いされた方が幸せじゃないか。
それとも何か、お前は超能力も使えないのにあんな得体のしれない奴らと戦いたい、とでも言うのか?

「いえ、そう言う訳ではないのですが。」

なら文句を言わずに観察する立場に立ってろ。
そもそも俺は巻き込まれ型の傍観者でありたいのだからこれで良かったんだよ。


75:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:12:51.39 ID:AjsnGViN0

~~~

戦いも終わったことなので、僕は元の世界に戻してもらうように長門さんに頼むとしますかね。
まずは長門さんを呼んだお二人に感謝しなければと、離れていたキョンさん・古泉さんに危険が去ったことを知らせ、礼を述べた。

「べつに構いませんよ、僕らの方こそ助けていただいて感謝せねばならないのですから。」とは古泉さんの発言。

「というか危なかったなぁ。異世界人ってのはこんなに戦いなれしてるのか?」とキョンさんの発言。

さて、このような不思議な世界とお別れというのも少々名残惜しい気もしますが、帰りましょうか。

「長門さん、戦い終わって疲れているかもしれませんが、僕を元の世界に戻していただけますか?」と頼む。

「了解した。これより、パーソナルネーム海原光貴の異世界転送を開始する。」と言ってくれたので、僕の願いを快諾してくれたようです。


76:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:14:00.80 ID:AjsnGViN0

~~~

気が付いたら僕は病院の外に立っていました。
服装を確認しても元に戻っている、どうやら戻ってこれたようですね。
と、携帯を確認すると、多数の着信履歴とメールがあった。
……そう言えば、仕事の集合があって病院を出たんでしたっけ……
時間にして二時間はいかない程度でしょうが、向こうの世界に行って色々なことがあったためすっかり失念していました。
さて、大遅刻ですがとりあえず行くべきですかね、と考えていると携帯が着信を知らせる。
恐る恐る電話に出ると……

『よォ、選ばせてやろォじゃねェか、オレか土御門の野郎かショタコン

「だからショタコンって言うんじゃないわよ!!」

「……いい加減認めるべきだぜい」

テメェらすこし黙ってろォ!で、誰に殺されたい、うゥゥなばァァらくゥゥゥゥゥゥゥン?』

どうやら僕には殺される以外の選択肢が与えられていないようですね。


77:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:15:15.38 ID:AjsnGViN0

~~~

「異世界転送の終了を確認した。」

どうやら、海原は無事に帰れたようだな、お疲れさん、長門。

「ところで、どうしましょうかね?」

何のことだ、古泉?

「涼宮さんが異世界人がいる世界に改変したのを長門さんの情報操作で元に戻したのは良いんです。
 良いんですけど、きっかけとなったライトノベルって続きがあるんですよね?」

あぁ、今日ほんとだったら買い物に付き合わされてるはずだったからな。

「だとしたら今後も同じような改変がなされる、つまり異世界人が再び現れる可能性があるのではないでしょうか?」

あー、どうすりゃいいかな……異世界人が来るたびに朝倉に復活されちゃこっちの身が持たんぞ。


78:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:16:09.62 ID:AjsnGViN0

「その心配はない。」

「おや、それはなぜですか長門さん?」

俺も聞きたいな、ハルヒほどでたらめな奴は他に居ないってのに、なんで断言できる?

「涼宮ハルヒが今読んでいるライトノベルは続きが二年以上出版されていない。彼女が今日読んでいたのは八巻目で、十巻目は発売日未定。
 今後世界がまた改変されるとすれば、そのライトノベルの作者が速筆になることが予想される。したがって異世界人の出現はもう無いと断言できる。」

そうか……ところで長門、今ハルヒが読んでるライトノベルの題名知ってるのか?
ハルヒの奴、本屋行くから着いてきなさいとだけ言って詳しいこと何にも教えてくれなかったから分からないんだ。
そう尋ねると長門は少し考えた後、たった一言。

「……禁則事項」

とだけ言った。
長門よ、それは朝比奈さんの特権だぞ。


79:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:17:27.81 ID:AjsnGViN0

~~~

あの後、誰も選ばずにすぐに電話を切ったためか、三人が文字通り飛んできて全員そろってお仕置きを食らわされました。
全く、少しくらい手加減してくれても良いと思うのですがね。
急な仕事を三人でやらされたストレス発散と言わんばかりに本気で殺しに来るなんて彼らは本当に僕の仲間と呼べるんでしょうかね?
あ、これで僕の不思議な体験に関する話は終了です。
さてと、僕は今日も病院にお見舞いに行ってきます。
お見舞いが日課となっていますが僕が暇人と言う訳ではないですよ、時間を有効に使っているだけです。
手土産として今度はミカンでも購入していきましょうか、昨日はリンゴでしたからね。


80:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:18:25.18 ID:AjsnGViN0

病院に着いて彼女の病室に向かう際、通路ですれ違った医者に挨拶をすると、残念ながらトチトリはまだ目を覚ましていないと教えてくれました。
ですが、医者が言っていたことによると

「あと数日で目が覚めるだろうからね?その時にもお見舞いに来るときっと喜ぶと思うよ?」

とのことでしたのでアステカの民族衣装でも用意しておきますかね。
ショチトルにあげた時には相当喜んでくれていた、と医者が教えてくれましたので。
挨拶も済ませ病室に入ると、ショチトルは本を読んでいた。
彼女が入院している間に時間をつぶせるようにと土産に持ってきた小説ですね。

「今日も来ましたよショチトル。お土産にミカン持ってきましたよ。」

「ありがとう。……それにしても本当によく来るな、エツァリ。」

ショチトルはそう言った。
彼女の姿を見て思い出す、昨日の不思議な体験を、テクパトルとの再戦を。


81:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:27:32.03 ID:On1CG5Pq0

僕には譲れないものがあるんです。
僕は上条当麻のように、困っている誰かに必ず手を差し伸べるなど出来やしません。
ですが、もし組織からテクパトルのような刺客が向けられた時……

「えぇ、昨日も言ったと思いますが、何回だって来ますよ。他ならぬ貴方のためですからね。」

たとえ自分が原典に汚染されてガラクタのようになってしまったとしても。
大切な人達を守りぬいてみせます、他の誰でもないこの僕の手で。

海原光貴の遭遇 終了


82:海原光貴の遭遇 ◆k5q69uzvxc :2010/02/06(土) 14:29:51.71 ID:On1CG5Pq0

これにて終了。
とあるキャラでエツァリが一番好きなんだ。
だから書いてみた。
読んでくれた人がいれば感謝です。


88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 15:28:35.85 ID:whQsiO+Y0

まあまあ面白かった




89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/06(土) 16:20:00.45 ID:5Vo9Nh190

乙です
とあるもハルヒも好きだし面白かった
やっぱりエツァリと古泉って似てるのかね


毛糸のカービィ
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[ 2010/10/08 20:00 ] 禁書・レールガンSS | TB(0) | CM(0) |このエントリーをはてなブックマークに追加 |このエントリーを含むはてなブックマーク |はてなブックマーク - 海原「譲れないものがあるんです」
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