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男「俺、結婚するから」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 01:41:16.93 ID:j0C1URZX0

 「今日で本当に出て行ってくれるんでしょうね」

女「あー、わかってます。わかってますよ」

 「まったく。必ずですよ」

女「ほんと、わかりましたってば」

女「はぁ、困っちゃったなあ」

女「仕方ないし、彼の家にでも泊めてもらおうかな。泊めてくれるかな」


2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 01:46:00.81 ID:j0C1URZX0

女「なに、話って。わたしも話したいことがあるんだけど」

 「いや、その。あのさぁ」

女「何よぉ」

 「お、俺とさ、別れてくれない?」

女「え、なに、突然・・・」

 「いやさ、他に好きな子ができたっていうか。その、ほんとごめん」

女「・・・」


3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 01:49:59.84 ID:j0C1URZX0

女「まったく。あんな男、こっちから振ってやるってんだ」

女「・・・はあ」

女「明日からどうしようかなぁ」

女「ほんと、困っちゃった・・・」

女「どうしよう」


4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 01:53:33.70 ID:j0C1URZX0

女「あ」

男「お、よお」

女「なんで、いるの」

男「なんでって。そこに、住んでるから」

女「いや、それはわかってるよ。なんでこんな時間に」

男「散歩。悪い」

女「全然、悪く、ないけどさ」


6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:03:54.61 ID:j0C1URZX0

男「そっちこそ、なんでここに」

女「別に、散歩かな」

男「散歩、か。そんな風に見えないけど」

女「あはは。実は男に用があって」

男「偶然を装わなくてもいいのに」

女「ごめん。そうだったね」


7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:06:38.31 ID:j0C1URZX0

女「今日さ、泊めてくれないかな」

男「はあ」

女「いや、ほんというと明日、明後日も」

男「また、なんで」

女「実はさ、部屋を追い出されちゃってさ」

男「・・・いつの時代だよ」


8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:09:21.04 ID:j0C1URZX0

女「うちもさ、今月厳しくて、給料日まで仕送りできないんだって」

男「わかるけど。なんで俺に頼むの。つきあってた男がいたんじゃなかった?」

女「ああ・・・。今日さ、別れたんだ」

男「ふうん」

女「・・・」


10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:11:44.89 ID:j0C1URZX0

男「振ったの」

女「まあね」

男「ほんとに?」

女「ほんとだって」

男「だから、そんな風に見えないんだって」

女「はあ。振られたのよ」

男「やっぱり。そうだと思ったよ」


11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:16:09.63 ID:j0C1URZX0

女「わかるの」

男「わかるよ。口で。震えてるもん」

女「そっか・・・。でも、別にそれはいいんだ」

男「未練ないの」

女「まあ、ないよ」

男「そう」


12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:19:07.95 ID:j0C1URZX0

男「あてにしていた彼とも別れて、元彼の俺の許に転がり込む気か」

女「あなたは元彼ってだけじゃないでしょ」

男「なに、友達?」

女「幼なじみでしょうに」

男「幼なじみねぇ」

女「そうよ。違う?」

男「別に違わないけどさ」


14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:22:44.06 ID:j0C1URZX0

男「そう易々と異性を泊めるわけには、いかんよ」

女「なによ。意識しちゃって」

男「子どもじゃあるまいし」

女「大人だと何が違うの」

男「見た目、かな」

女「意識してるじゃないの」

男「なあに。さっきまで別の男とつきあってた癖に」

女「そ、それは、ごめん」

男「謝られても困るんだけどな・・・」


15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:27:35.87 ID:j0C1URZX0

男「まあ、いいよ。のたれ死なれても困るし」

女「さっすが。わかるね」

男「お前こそわかってるんだろうな」

女「なにが」

男「なんにもないからな」

女「何よ。わたしはそんなに軽くないって」

男「そのつきあってた奴とはどうだったんだ」

女「別に、何もしてないよ」

男「ちゅーは?」

女「ちゅーはした、けど・・・」

男「やっぱり」


18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:34:58.59 ID:j0C1URZX0

女「やっぱりって、ちゅーくらいで騒ぐ歳じゃないでしょうよ」

男「まあな。それでも、嫌だよ」

女「ふうん。まだ惚れてたりして」

男「まあ、違うっていうと嘘になるかもな」

女「そうなの?」

男「嘘だって。さすがに、ないよ」

女「・・・そっか」


21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:40:20.51 ID:j0C1URZX0

男「とにかく泊めてやるから。感謝しろよ」

女「うん、する。すごく」

男「まったく。大学も中退したんだって」

女「それをいわれると、きついよ」

男「色ぼけになってたんじゃねえか」

女「もう、いいでしょ」

男「悪い。ちょっと仕返し」

女「はあ。とにかく、ありがとう」

男「あの時もそれくらい素直だったら、よかったのに」

女「・・・」


22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:44:04.09 ID:j0C1URZX0

男「汚い部屋だけど」

女「なんか、生活感ないね」

男「そんなことないだろ。ほら、ゲームあるし」

女「無機質だよ」

男「そう?冷蔵庫とか押入れとか、すごいよ」

女「彼女、いないんでしょ」

男「いるよ」

女「うそ」


25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:47:38.06 ID:j0C1URZX0

女「彼女がいたら、わたしなんか泊めないもんね」

男「だから、最初断っただろうが」

女「部屋にも女っけないし」

男「部屋には呼んでないからな」

女「別に無理しなくていいよ?」

男「本当にいるんだって」

女「ほんとに?」

男「ほんとだって」

女「・・・そう」


26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 02:55:11.94 ID:j0C1URZX0

最も嫌われたSSスレか。悪くないな

男「なに、その残念そうな顔は」

女「べつに。そんな顔してないよ」

男「さっきまで別の男とつきあってたのに」

女「だから、それはもういいって」

男「ほんとにいいの。俺んちに泊まって」

女「なに、今更」

男「もう戻らなくなるぞ」

女「そんなの気にしなくていいんだって。もう何もないから」

男「そっか」

女「そうだよ」


29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:01:59.02 ID:j0C1URZX0

男「飯は、どうする?あれなら、なんかつくるけど」

女「食べてないけど、いいよ。そんなに空いてない」

男「まあ、時間も遅いしな。先に風呂入れよ」

女「一緒に入ろうか」

男「冗談はよせよ。俺も入るから早くしてくれ」

女「まーったく。つれないね」

男「性格だよ」

女「そんなの、知ってるって」


32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:26:27.21 ID:j0C1URZX0

まあまあ、怒るなよ。減らない口だから

男「ふう。あれ、まだ起きてたの」

女「うん。まあね」

男「もう遅いし、俺は寝るけど」

女「明日学校あるんだったね」

男「だから、寝るよ」

女「うん。わたしも寝るから」

男「じゃあ、おやすみ」

女「ちょっとちょっと」

男「なに」


33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:30:31.64 ID:j0C1URZX0

女「なんでソファで寝ようとしてるの。ベッドあるのに」

男「それはお前がつかっていいよ」

女「そんな」

男「嫌か?」

女「いや、なんか、悪いよ。わたしがソファで寝るから」

男「いいって。さすがにそんなに気の回らない男じゃないよ」

女「でも」

男「なにを今更遠慮してるんだよ。もう上がり込んでおいて」

女「それは、そうだけど」

男「じゃあ、おやすみ」

女「・・・おやすみ」


34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:33:47.92 ID:j0C1URZX0

女「ねえ。男」

男「・・・」

女「もう寝た?」

女「・・・なんか、寂しい。でも元はと言えばわたしが悪いんだよね」

女「はあ・・・」

男「・・・」


35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:42:50.61 ID:j0C1URZX0

女「はあ。よく寝た」

女「男ぉ。って、もういないのか」

女「9時か・・・。お腹減ったな」

女「あれ、パンとメモが置いてある。なんだって・・・」

おはよう。今から学校へ行ってきます。

朝ご飯はお前が好きなパンに目玉焼きを挟んだ、それです。冷めてたらお前の寝坊なのが悪い。

飲み物はポットにお湯が湧いてるから、棚の紅茶でもコーヒーでも飲んで下さい。お前はコーヒーが好きなんだっけ。

じゃあ、行ってきます。

女「なに。この他人行儀は」

女「へえ、覚えててくれたんだ・・・」

女「ぱく。・・・ちょっと冷たい」


36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:46:41.16 ID:j0C1URZX0

女「この一枚のパンを二つに割るのがいいの。わかってるね」

女「二枚で挟むと厚くなっちゃうもんね」

女「ふう」

女「ゲームでも、しよっかな」


39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:51:17.53 ID:j0C1URZX0

女「わたしは紅茶の方が好きだったんだけど」

女「ええと。ここか」

女「ほこり被ってるじゃない。男はコーヒー派だっけ」

女「ポットは、と。ここか」

女「ふう。なんか、暇だなぁ」


40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:56:06.22 ID:j0C1URZX0

お昼

ぴこぴこ

女「あれ。これけっこう面白い」

ぴこぴこ

男「よお、って。お前何、ゲームしてるんだよ」

女「だめだった?」

男「別にダメじゃないけどさ」

女「変なゲームがあるの」

男「あるかもしれないだろ」

女「あるの」

男「ないよ」


41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 03:59:48.10 ID:j0C1URZX0

女「そんなことはどうでもよくて。なんで帰ってきたの?」

男「お前が腹空かしてるだろうと思って」

女「そっか。ありがとう。でも、少しならお金、もってるよ」

男「そう。飯食いに行こうと思ってたんだけど、いらないか」

女「いや、いるよ。奢ってくれるんでしょ」

男「金もってるなら、やめた」

女「別にそれでも、いいよ。行こうよ」

男「わかったよ」


43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:02:02.19 ID:j0C1URZX0

女「やっぱり彼女、いないんでしょ」

男「いるって」

女「彼女がいて、それで女とご飯食べに行くの」

男「お前は幼なじみだろ?自分で言ったぞ」

女「そうだけど、さ」

男「とにかく彼女はいるから。心配してくれなくていいよ」

女「・・・そりゃどうも」


44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:07:10.91 ID:j0C1URZX0

男「誘っておいて何だけど。牛丼でよかった?」

女「牛丼好きだから。彼女と行く時は違う場所に行った方が、いいけどね」

男「覚えておくよ」

女「あなたはそういう所、鈍感だから。まあ、それがよかったんだけど」

男「女心と秋の空ってやつ?」

女「なにそれ」

男「すまん。今考えた」


45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:12:56.20 ID:j0C1URZX0

女「ふう。お腹いっぱい。結局奢ってもらって、悪かったね」

男「お前の財布の中を見たら悲惨過ぎて、払わせられなかったよ」

女「そうだね。助かってるよ」

男「じゃあ、俺は学校に戻るから。道は、わかるよな」

女「うん。わかるよ。近所だから」

男「じゃあ、またな」

女「バイバイ」


46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:29:52.34 ID:j0C1URZX0

夕方

男「ただいま。帰ったよ」

女「おかえり。ずいぶん遅かったんじゃない」ぴこぴこ

男「まあな。買い物してたから。というか、またゲームしてるのか」

女「だって面白いんだもの」ぴこぴこ

男「洋ゲー好きなんて、普通なのかな。まあ、いいけど」

女「彼女は?」

男「ああ、それで遅くなったんだ」

女「ふうん」ぴこぴこ


47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:33:11.46 ID:j0C1URZX0

女「なにも言われないの?」

男「なにが」

女「わたしがいること」

男「だって、言ってないから」

女「そっか。見られたら、なんか嫌だね」

男「別に何もしてないだろ。こんなことで何もいわないよ」

女「そうかなぁ。わたしだったら、怒るけど」

男「お前はな」

女「まあね」


48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:39:29.65 ID:j0C1URZX0

女「たくさん買い物したんだね」

男「ああ。一週間分だからな」

女「今日は何つくるの?」

男「今日は、そうだな。色々あるから好きなもの言ってくれれば、つくるよ」

女「男って、料理できたっけ」

男「大学入ってから、ちょっとな」

女「そうなんだ。わたしも手伝うけど、期待してるよ」

男「まあ、まかせろ」


49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:41:30.24 ID:j0C1URZX0

男「で、何が食べたいんだ?」

女「うーんと。やっぱりオムライスかな」

男「いいのか、そんなので」

女「うん。最近食べてないから」

男「オムライスくらい自分でつくれるだろ」

女「いいの。お願い」

男「わかったよ」


50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:43:50.39 ID:j0C1URZX0

女「おいしい。男って料理うまいんだね」

男「いや、殆どお前がつくってたじゃん」

女「そんなことないよ。この卵、わたしできないよ」

男「そういってもらえると本気にするけど」

女「どうぞ。実際、うまいよ」

男「ありがとう」

女「どういたしまして」


51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:48:38.05 ID:j0C1URZX0

男「じゃあ、風呂も入ったし、寝るか」

女「もう寝るの。まだ10時だよ」

男「だって、何するの。うちテレビ見られないからさ」

女「ゲームしようよ。それ専用なんでしょ」

男「そうだけど。これ、そんなに気に入ったの」

女「入ったよ。やろう」

男「はいはい」


52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:52:28.11 ID:j0C1URZX0

女「ねえ」ぴこぴこ

男「なに」

女「なんで泊めてくれたの」ぴこぴこ

男「そりゃ、お前が困ってたから」

女「そっか」ぴこぴこ

女「ありがとう」ぴこぴこ

男「うん・・・。まあ、今度俺がそうなったら、頼むよ」

女「いやだよ」

男「なんでよ」

女「だってつきあってないんだもの」

男「・・・」


55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 04:59:39.04 ID:j0C1URZX0

女「って普通はこう云うと思うんだけど」

女「本当に、なんで泊めてくれたの?」

男「別に、さっきの理由で間違いないよ」

女「そっか」

女「優しいんだね」

男「今更、知ったのかよ」

女「ううん。知ってたよ」


56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:03:40.46 ID:j0C1URZX0

女「じゃあ、寝よっか。もう12時回ったしね」

男「ああ、おやすみ」

女「今日もソファで寝るの」

男「そうだけど」

女「大丈夫?」

男「なにが」

女「体とか、痛くなったりしない?」

男「余計なこと、心配しなくていいよ」

女「そう・・・。じゃ、おやすみ」

男「おやすみなさい」


57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:07:42.29 ID:j0C1URZX0

女「・・・」

男「・・・」

女「・・・ねぇ」

男「・・・」

女「起きてるんでしょ」

男「・・・」

女「昨日もそうして、寝た振りしてたよね」

男「・・・」


58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:13:06.37 ID:j0C1URZX0

女「睡眠の邪魔をする気はないけど」

女「男」

女「ねぇ」

男「・・・なんだよ」

女「やっぱり起きてたんだ」

男「お前が呼ぶから、起きたんだよ」

女「うそ」

女「だって男、昔から寝つき悪いもん」

男「いつの話だよ、いつの」

女「10年前かな」

男「俺は小学生でありながら女と寝たりしてないぞ」

女「ごめん。そうだったね。もっと、昔だよ。昔」


59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:15:45.19 ID:j0C1URZX0

女「こっち、きて」

男「そんなこというから、軽い女だと思われるんだ」

女「軽くないよ。前の彼とは結局何もしてないもん」

男「ちゅーはしたんだろ?」

女「男だって彼女とちゅーくらいするでしょ」

男「ま、まあな」

女「だったら、おあいこだよ」


60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:18:00.67 ID:j0C1URZX0

女「それにわたし、男の後、彼しかつきあってないし」

女「ほんとに何もないんだって・・・」

男「わかったよ。寝るだけな。寝るだけ。他には何もしないからな」

女「うん・・・」


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:20:26.79 ID:j0C1URZX0

男「ほら、きてやったぞ」

女「・・・ありがとう」

女「昔はこうして、よく一緒に寝たよね」

男「15年前だろ」

女「そうだけどさ。懐かしいよ」

男「まあな」


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:22:49.35 ID:j0C1URZX0

女「なんで壁の方向いてるのよ」

男「そりゃあ、変な気が起こらないように」

女「変な気、起こるんだ」

男「まあ、男ですから」

女「大人になったんだ」

男「その言い方、やめてくれ」

女「ごめん」


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:25:49.18 ID:j0C1URZX0

男「ほら、こっち向けばいいんだろ」

女「うん。相変わらず平凡な顔してるね」

男「うるせえよ。お前だって、変わり映えしないよ」

女「そう?変わって欲しかった?」

男「まあ、そういうわけじゃ、ないけど」

女「そう。そうだよね」


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:28:28.33 ID:j0C1URZX0

女「ごめんね。まだ怒ってるんでしょ」

男「なに。何の話」

女「高校の時」

男「ああ」

女「好きな人がいるって、一方的に別れ話してさ」

男「もう、いいよ。その話は」

女「ううん」


65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:34:36.84 ID:j0C1URZX0

女「あれさ、嘘だったんだ」

男「はあ?」

女「男が受験勉強で忙しくなって。それでわたし、寂しくなって」

女「注意をひこうと思って。止めて欲しかったんだ」

女「でも、男は止めてくれなくて」

女「当たり前だよね。後でそれに気づいて、後悔したよ。一度きりのね」

男「・・・」


67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:38:51.96 ID:j0C1URZX0

女「それでもずっと男のことが好きで」

女「志望大学も男が行こうとした東京にある所に変えたんだ」

女「でね、こうして東京にきて。でもいえなかったんだ。怖くて」

男「もう、いいよ」

女「それで結局、別の男とつるんでるんだもんね」

女「最低だよね。わたし」

女「本当にごめんなさい」

男「・・・別に、今は俺も彼女がいるんだから」

女「・・・」


68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:44:33.31 ID:j0C1URZX0

男「気にしてないから。ほら、泣くなよ」

女「ごめん。ほんと、ごめん・・・」

男「こっちこそごめんな。気づいてあげられなくて」

女「男は、悪くないの。わたしが、余計なことをして」

男「大丈夫。だいじょうぶだから。もう、寝ろよ」

女「うん。ほんと・・・ごめん」

男「おやすみ」

女「うん・・・」


69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:47:33.58 ID:j0C1URZX0

翌日

女「じゃあね。実家に帰って、しばらく会えないかもしれないけど」

男「ああ、元気でな」

女「・・・もう、一生会えないかもね」

男「そんなこと、ねえよ」

女「そう、だよね」

女「あのさ」

男「なに」

女「男のつきあってる彼女って、どんな人?」

男「そ、それは・・・」


71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:56:41.16 ID:j0C1URZX0

女「・・・やっぱり、いいや」

女「わたしより可愛かったら、くやしいもんね」

男「お前より、可愛いよ」

女「へへ、この幸せもん」

男「嘘うそ。お前の方が可愛いよ」

女「・・・そんな言われ方されたら、彼女、傷つくよ」

男「そう、だな。気をつけるよ」


72:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 05:57:55.22 ID:j0C1URZX0

女「・・・そろそろ、行かないと」

男「ああ。じゃあ」

男「あ、女」

女「なに?」

男「いや、やっぱりなんでもない」

女「何よ。なんか、気持ち悪いよ」

男「ほっとけよ」

女「あなたの態度じゃなくて、わたしの気分が」

男「・・・いや、いいんだ」

女「そっか」

女「じゃあね。また、会えるといいね」

男「ああ。必ず、会えるよ」


73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:03:08.17 ID:j0C1URZX0

男「ふう。行っちまったか」

男「これで、よかったんだよな。これで」

男「・・・実家は隣同士だし」

男「また、会えるよな」

男「さよなら。本当は、またねって素直に云って欲しかったんだ」

男「・・・またな」


74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:17:05.54 ID:j0C1URZX0

一ヶ月後

ピンポーン

男「はい、どちらさま・・・って」

女「よっ。来ちゃった」

男「・・・来ちゃったって。どういうことだよ」

女「親がさ、もううちじゃ食わせられないから、働け~って」

男「それで、また東京まで出てきたの」

女「そう。こっちの方が居心地いいし」

男「お前の親はほんと、何考えてるんだろうな」

女「それは、わたしが思ってたことだって」

男「ふふ。そうだな」


75:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:20:22.82 ID:j0C1URZX0

女「あのさ。それで、言いにくいんだけどさ」

男「なに。また、泊めてくれ、とかいうの」

女「いや、そんなこと、もういわないよ」

女「ご、ご飯一緒に食べに行かないかな~って」

男「はあ。めし?」

女「そう。メシ」


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:22:56.15 ID:j0C1URZX0

女「この間奢ってもらっちゃったから、今度はそのお礼に」

男「はあ、そうだな」

男「あのさ、女」

女「ん?なに」

男「すごく言いにくいんだけどさ」

女「勿体ぶってないで、早くいってよ」

男「俺さ、今度結婚するんだ」

女「・・・え?」


78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:24:46.88 ID:j0C1URZX0

女「結婚、するの」

男「ああ。だから、その。今後はお前とこうしてつき合えない」

女「・・・おめでとう」

男「どうも。ありがとう」

女「・・・」


79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:27:48.35 ID:j0C1URZX0

女「・・・」

男「・・・なんてな」

女「え?」

男「嘘だよ、うそ。お前って簡単に騙されるんだな」

女「嘘?結婚しないの」

男「ああ、しない。だから、めし、行ってもいいぞ」

女「・・・ふふ」

男「なんだよ」

女「だって・・・」


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:31:48.87 ID:j0C1URZX0

女「全部知ってたんだもん」

男「はあ?なにが」

女「彼女、いなかったんでしょう」

男「な、なんで。いたよ」

女「いいえ。いません」

男「なんでわかるんだよ」

女「だってね。口が震えてたもの。彼女のことを言うとき」

男「うそつけよ」

女「ほんと。全部、わかってたんだから」


81:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 06:35:59.05 ID:j0C1URZX0

女「なんのつもりで嘘ついてるんだろうな~って」

女「でも、わかった。仕返しのつもりだったんでしょう」

女「実家は隣同士だもんね。会おうと思えば会えるのに。臭い別れ方しちゃって」

男「・・・それは、お前もだろ」

女「とにかく。全部わかってたんだ。わたしの前で嘘つこうったってだめだよ」

女「わたしはあなたの、幼なじみだから」

男「・・・ちぇ」


92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:02:22.30 ID:j0C1URZX0

危ねえ寝落ちした。後ちょっとなのに

女「それともこっちの方がよかった?元カノだから」

男「いいよ。そっちは。なんだか滅入る」

女「そっか」

男「・・・はは」

女「ふふ」

男「そうだよ。仕返しのつもりで。いつからわかってたの」

女「ああ、やっぱり。ふうん」

男「なんだよ」

女「ごめん。ちょっと、半信半疑だった。最後は賭けてみた」

男「はあ?」

女「ごめん。口が震えてたってのはほんとだけど」


93:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:08:02.86 ID:j0C1URZX0

男「てっきりお前にはもう嘘はつけないと思った」

女「つけるよ。でも、あんまりつかないでね」

男「ああ・・・そうだな。お互いに」

女「うん」

男「散々俺を手玉にとったな」

女「そういうつもりじゃ、なかったんだけど・・・」


94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:13:56.66 ID:j0C1URZX0

女「じゃあ、そういうことだから。住所決まったら、連絡するよ」

男「ああ、ちょっと待てよ。めし、食いに行くんだろ?」

女「え?ああ、うん」

男「なに。気分変わったの」

女「違う。なんか、嬉しくて」

男「はあ。お前、今なんて」

女「別に何もいってないよ」

男「そっか。じゃあ早速行こうぜ」

女「うん」


97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:20:32.98 ID:j0C1URZX0

女「何がいい?」

男「そうだな・・・。やっぱり牛丼かな」

女「ええ、またぁ?彼女と行く時は別の所にした方がいいよっていったじゃん」

男「だってお前、彼女じゃないもの」

女「彼女にしてよ」

男「ええと。それはまた考えておくよ」

女「けち」

男「なんとでもいえよ」


99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:39:45.65 ID:j0C1URZX0

女「ふふ」

男「なに」

女「いや、ありがとう」

男「何が」

女「なんでも、ないよ。ほら、行こう?」

男「まったくおかしなやつだな。わかったから、引っ張らないで」

女「・・・ありがとう」


100:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:42:23.83 ID:j0C1URZX0

男「いっとくけどな、俺はまだ許してないぞ」

女「わかってるよ。わかってる」

男「振られるのは、きついわ。例え嘘でも」

女「しつこい男はさ、その、嫌われるよ?」

男「わかってる癖に。ほら、行くぞ」

女「ああ、ちょっと。待ってよ」

男「まったく。これでもう少し素直だったら、可愛いんだけど」

女「聞こえてるよ?」

男「ああ、いや。ごめん」

女「素直に、なるね」

男「いいよ。口から出ただけだから」

女「そっか。それじゃあ、よろしくね。今後とも」

男「ああ・・・。よろしく」



おわり


101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:45:01.83 ID:krCGgMUOO

乙でした
おもしろかった


104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 11:51:53.79 ID:j0C1URZX0

こき下ろしてくれた人も、支援してくれた人も、ありがと
二人がよりを戻したかどうかは、任せるよ


112:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 14:25:03.20 ID:1JTNh/jL0

VIPにはあまりない感じの話だから面白かった

おつん


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