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美琴「あんたのこと嫌い」 上条「なん……だと…?」 その2

236:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:28:55.50 ID:xh9hPofq0

そして次の日。

学校の帰り道にて。

上条は自己嫌悪に陥っていた。

「はぁ~~~~~」

盛大にため息をつく。

それもそのはず。正義の味方であるはずの上条さんとも
あろう者が、二人の女の子と体の関係を持ってしまったのである。

(俺はやっぱり鬼畜なんだろうか? 美琴に恨みがったとはいえ、
 映画館で犯すなんて我ながら最低だ…)

肩をがっくりと落としてうなだれており、その後ろ姿は
くたびれたシマウマを連想させる。


238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:32:50.80 ID:xh9hPofq0

(俺は真人間になりたい。そして、普通の恋愛がしたい。
 そのためには……)

と、そこまで考えた所で、


『きゃあああああ!!』

路地裏から悲鳴が聞こえた。

「ほらあああああああああ!!」

上条はいきり立ち、そこへ足を運ぶ。

待ち構えていたのは不良という名の鹿たち。

「あんだてめえは!?」

「邪魔するつもりか? あああああ!?」

「ぷふいいいいいいいいい!!」


敵は全部で三人。鹿らに囲まれて脅えている女の子が一人。
女の子は下校途中なのか、カバンを抱きながら震えている。


241:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:36:26.53 ID:xh9hPofq0

(三対一か。少しやっかいだが、やってやるぜええええええ!!)

正義のシマウマ(上条)が助走を開始する。

「ちょ…!?」

鹿Aが発したセリフは短かった。

タックルされそいつは激しく吹き飛び、路地の外を走る
トラックに激突してしまった。

「な…?!」 「ぶ、ぶひ?」

その一瞬の惨事に、不良諸君らは立ち尽くす。

「他所見してんじゃねええぞおおおおおおおお!!」

その後は余裕だった。戦意を失くした彼らをタックルで
50メートルくらい吹き飛ばしてやった。

(ふふふ。今日も人助けをしたぜ…!
 見ろ。俺はどう見たって正義の見方じゃないか。シマウマだけど)

上条はガッツポーズして力が鈍っていないことを実感した。


245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:40:42.45 ID:xh9hPofq0

「あ、あの……助けていただいてありがとうございます…」

おずおずと頭を下げる女の子は気品に満ち溢れていた。

(ん? 見覚えのある制服だな。美琴の学校のものか?)

上条はそう思ったので聞いてみる。

「君はもしかして常磐台中学の生徒さんかな?」

「はい。ご存知なんですか?」

「知り合いが一人いてね。御坂っていうんだけど」

上条が頭をぽりぽり掻きながら言う。

「まあ。あのレールガンの御坂様とお知り合いだったのですね。
 すごいですわ。あの……失礼でなければ…お二人はどういう関係なのですか?」

「あー、えーっと……」

上条が言葉を選ぶ。まさか主従関係にあるとは口が裂けてもいえない。

「くされ縁だよ。いっつもあいつが勝負を仕掛けてきて
 それに巻き込まれてるだけ」


246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:44:15.50 ID:xh9hPofq0

「あの御坂様が勝負を…?  うふふふ。
 信じられませんわ。学園では粛々としてらっしゃるのに」

「そうなの? 俺の知ってるあいつは結構バカだよ? あはは」

その後しばしの雑談を挟み、最終的にアドレスを交換した。


上条にとってその少女の名前は知らないものだったが、
とにかくこれで御坂美琴以外の新たなメアドをゲットしたのだった。


真人間への復帰・第一歩である。


248:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:48:29.97 ID:xh9hPofq0

「ただいまぁ」

上条は堂々と胸を張って帰宅する。

「おかえりなんだよ、とうまぁ」

甘い声のインデックスが抱きついてくる。
その柔らかい感触といい匂いに惑わされ、暴走しそうになる。


「っぐぐぐぐぐぐぐ」

「とうま? 険しい顔してどうしたの?」

「い、いや、大丈夫だ。ちょっと発作が起きそうになってさ」


上条は内部に潜むシマウマと戦っていた。
それが発動すると鬼畜モードになってしまうわけだが、
今は抑えることが出来た。

「あれ? 今日は美琴は来ないのか?」


249:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:53:34.11 ID:xh9hPofq0

いつも夕食を作りに来る彼女がいないので疑問に思った。
インデックスはくりくりの瞳をしながら答える。

「うん。なんか調子が悪いからしばらく来れないんだって」


美琴の奴……具合でも悪いのか? 健康管理には気を
 使っている方だと思っていたが……まあいい。
 後でこれからも家に来ないように命令しておこう)


上条は思考を中断し、

「そうか。じゃあ今日は二人だけでご飯を食べような!
 たぶんこれからはずっと二人だけで生活できるぞ!」

「うん!」

こうして二人だけの愛の夕食を堪能した。
純真無垢な禁書を見ていると、こちらの心まで
洗われる思いがして心地よかった。

上条は、鬼畜を卒業して真人間になることを誓ったのだった。


250:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:58:31.58 ID:xh9hPofq0

その次の日。

「か、上条さん……?」

クレープ屋の前を通った際、気まずそうな顔で
こちらを見てくる佐天さんと初春さんの姿があった。

「あ……よ、よう、元気か?」

上条も同様に罰の悪そうな顔をしている。

会うのは、ヤンデレ美琴によるレストラン襲撃事件以来だ。

あの日からすっかり疎遠になってしまった。

「あ、あの…私たち、もう行きますね。御坂さんに見つかると大変ですから」

初春さんが佐天さんの手を引いて立ち去ろうするが、上条が呼び止める。

「待ってくれ! 御坂ならもう大丈夫だよ!
 俺があいつを説得したんだ。
 もう初春さんたちには手を出させないから大丈夫だよ」


251:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 21:59:36.12 ID:n6HbnBCQ0

シモ条さんがエロゲの主人公にしか見えない件


252:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:02:28.86 ID:xh9hPofq0

「……」

上条の必死の叫びが通じたのか、彼女達は足を止めてくれた。
しかし、まだ背中を見せたままだ。

「もう御坂に脅えなくていいんだぞ? さあ仲直りしようぜ」

「……か、かみじょうさん……!!」

佐天さんが泣きながら上条の胸に飛び込んでくる。

「うわあああん!!」

今度は初春さんだ。今までの寂しさが募ったのか、
恥も外見も関係なく上条の腕に抱きつく。

「はは。これで、元通りだな……」

上条は二人の少女の泣き顔を眺める。
そこにはかつて存在した温もりがあった。

鬼畜サイドに落ちてしまった上条であるが、それは
悪の美琴が原因であり、本来は優しい少年である。

そうでなければ、純情な二人の女の子達に好かれるわけが無い。


254:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:03:33.16 ID:s7H7B/iB0

かっこいいのか屑なのかわからん上条だな


255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:06:24.44 ID:xh9hPofq0

なお、上条は彼女たちの身の安全を保障させるため、
美琴宛に『俺の周りの女の子達に手を出したら絶交するから』
という内容のメールを送信しておいた。

しばらく待ってもメールの返事はもらえなかったが、
美琴は上条の奴隷であるから、逆らうような真似は
しないだろうと判断した。

「上条さん。あーんして」

「こっちのも食べてください」

現在の彼らはベンチに座り、クレープを食べていた。
というより上条が食べさせられていた。

初春 上条 佐天 という順で座っており、腕を組んでいる。
いつかのハーレムフォーメーションの再現だ。

上条はいちごとバナナの二種類のクレープを味わいつつ、
その腕に感じる柔らかい感触に暴走しそうになる。

(こ……これは……特に佐天さんのほうが大きいな……
 まずい……だが…ここで興奮するわけにはいかん…)


257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:10:27.19 ID:xh9hPofq0

強く押し付けられた胸の感触は確かに気持ちよかったが、
シマウマモードをキャンセルする術はすでに心得ていた。

(ふぃぃぃ。俺は人間……)

明鏡止水の心で目を閉じる上条。

これぞ真人間上条が会得した、シマウマキャンセラーだった。

理性を制御し、幸せを謳歌する上条だが、それも長くは続かなかった。


「あら、ずいぶん楽しそうですわね。上条さん。女の子二人を
 連れて軽いハーレム状態ですの?」

通りかかった白井黒子が声をかける。上条は少しカチンときつつ、

「し…白井? 別にどうしようと俺の勝手だろ」

「ふうん。そうでしょうか? 誰にでも優しすぎるのは
 時として罪になるのですわよ。昨日は我が校の先輩が
 お世話になったそうで…」


260:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:14:48.91 ID:xh9hPofq0

「…? ああ、昨日のあの生徒さんのことか…」

黒子が話しているのは、昨日上条が助けた女子生徒のことだ。

「あの方は二年の先輩ですの。その件ついてはお礼を言っておきますわ。
 でも、ずいぶんお姉さまに対してずいぶんと冷たいようですわね。
 こんなに堂々と浮気なさるなんて…」

黒子は冷たい目つきで上条を見下ろした。


「うわ…き?」

佐天さんが疑惑の目で上条を見つめる。


黒子が得意げに語る内容は、上条の闇の記憶を暴露するものだった。

「そうですわよ。上条さんが佐天さんたちと仲良くしてるのは偽りの姿。
 彼は本当はお姉さまとお付き合いしているはずですの」

「……あいつとは脅されて付き合ってただけだ。もう別れるよ」


264:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:18:32.96 ID:xh9hPofq0

「…そうですか。なら美琴お姉さまのことはもうなんとも思ってないのですね?」

「ああ」

上条がそう答えると、黒子は捨てゼリフを吐いた。

「別に上条さんを責めようとしているわけではありませんの。
 お姉さまにも非はありますから。ただ上条さんの気持ちを確かめたかっただけですの」

踵を返し、去っていく黒子の後姿は次第に小さくなっていった。


そして残された三人の間に気まずい沈黙が訪れる。



「あの、上条さん。御坂さんとは……」

初春が慎重に口を開く。


265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:22:30.28 ID:xh9hPofq0

「ごめんな。まだ二人には話してないけど、あいつとは色々あったんだ。
 本当に色々なことが。はは。やっぱり俺は最低だ。初春さんたちと
 いる資格はないのかもしれない」


上条は自嘲気味に笑い、中年サラリーマンのような顔で
その場から去ろうとするが、少女達に引き止められる。


「上条さんは最低なんかじゃありませんよ! 何があったのかは
 聞きませんけど、どうせ御坂さんに脅されてたんでしょ?
 悪いのは御坂さんです」

「そうです! 御坂さんが異常だったのは明らかです。
 白井さんだってそれを認めてたじゃないですか!」

佐天さん、初春さんの順で慰めの言葉をかけてくれる。


267:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:27:09.73 ID:xh9hPofq0

「ひぐっ…ぐす……う……お、俺は……二人と一緒に…
 いても……いい……のか……?」

上条のセリフは嗚咽交じりだった。


「もちろんです! 私たちは上条さんとずっと一緒にいますよ」

「もう御坂さんのことは忘れてください」


地獄を経験した上条にとって、彼女らの言葉は温かかった。

恐らく美琴もこうしてストレートに思いを伝えられる子だったら、
過ちを犯すことはなかったのかもしれない。


268:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:30:50.87 ID:xh9hPofq0

家に帰ると、インデックスがまたしても抱きついてきたが、
彼女は笑ってくれなかった。

「とうまから女の匂いがする。これはたんぱつのじゃないね」

「……!?」

上条は顔面蒼白になる。

禁書は間違いなく佐天さんと初春さんのことを指摘していた。
今日あれだけ密着していたので無理はない。

「もしかして、誰かとうわきしてる?」

「……!?」

上条の顔に冷や汗が流れた。

「さっきから黙ってるのはどうして? 
 とうまは……『私だけ』を好きでいてくれるって言ったよね?」

部屋の空気が張り詰める。


270:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:32:55.97 ID:Ukfe/n4o0

やはり不幸体質


272:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:35:56.31 ID:RfhekmJX0

付き合う女が悉く地雷


275:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:40:56.55 ID:xh9hPofq0

「だれと浮気したの?」

「…!!」

上条は激しい動悸に襲われ、気絶しそうになった。

(なん……だと……まさかの……ヤンデレ第2号発生か…?)

美琴に襲われたときの衝撃がよみがえる。
過去の残虐な記憶が脳内で再生され、
うずまきのようにぐるぐると回り始めた。

「どの女の子と仲良くしての? 黙ってないでしゃべりなさいよ。
 本当のことを言わないと……」

禁書はここでためを作り、大声で宣言する。

「もう二度と、とうまと口を聞いてあげないんだからね!」

(……!?)

その言葉を聴いた瞬間、上条は酸欠に陥った。
それほどショックは大きかったのだ。


276:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:45:34.79 ID:xh9hPofq0

(禁書の声が聞けない………だとぉ!?
 うああああああああああああああああああああ!?)


上条は頭を両手で押さえながら床の上をのた打ち回った。


「うああああああああああああああああああああ!?」


ゴロコロと冗談のように転がり続ける。
恐らく下の階まで響いていることだろう。
だが、止まるわけにはいかなかった。

(禁書目録の声は……俺の宝だ……ゆかち……)

上条はブリッジを始めた。
こうしないと頭がおかしくなるからだ。


277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:49:16.51 ID:xh9hPofq0

ここで冷静な意見を述べさせてもらえば、禁書目録は
ただ怒ってるだけで、別にヤンデレ化はしてない。

したがって、いつものように適当なことを言って目録ちゃんを
なだめればいいのだが……

「はあああああああああああああああああああああああ!」

上条は逆立ちを始めた。

彼にとって、インデックスの声は生きがいに等しいのだ。
美琴による圧政下に耐えられたのも、明日が来れば
禁書の声が聞けると考え、それを支えにがんばったからだ。


それが今、禁書自身の判断により失われようとしている。
これでどうして落ち着いていられようか。


散々暴れた後、上条は土下座しながら佐天さんたちのことを話した。
そしていかに禁書のことを愛しているかを原稿用紙20枚分に書いて
朗読したが、機嫌を直してくれなかった。


282:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:54:48.63 ID:xh9hPofq0

(とうまはひどいんだよ……。乙女の純情をもてあそんで…)

頬を膨らます禁書さん。


禁書は、とうまだからこそ身も心も許したのだ。
諸事情によりこの家に引きこもる彼女は、上条が
外で何をしているか知らない。

よって上条の話を信用するしかないのだから、
それが裏切られたとなっては怒るのも当然だ。

結局、朝になるまで禁書は口を聞いてくれなかった。


283:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 22:58:08.27 ID:xh9hPofq0

ちなみに、禁書が膨れている頃、常磐台中学の女子寮のある部屋では……

「お姉さまぁ。今どんな気分ですの?」

「うぅぅ……もう許してぇ…………」


黒子はベッドの上で足を組んでいた。
片手にワイングラスを持ち、優雅に美琴を見下ろしている。


「黒子ぉ……私が悪かったからもう許してよぉ……」

美琴は後ろ手に縛られ、檻の中に入れられていた。
全身ゴム製の服を着せられている。

もう何日も食事をさせてもらえず、飢えと乾きが極限まで
達しそうになっていた。

「駄目ですの。お姉さまにはたっぷりと反省していただきますわ。
 ところで、今日上条様にお会いしましたの」


286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 23:07:34.89 ID:xh9hPofq0

「え? 当麻と!?」

美琴が上条の話題に食いつく。

「お姉さまのことをどう思っているかと聞いたら、もう別れたいと
 答えられましたわ。お姉さまに脅されて付き合っていただけだと、
 隣に寄り添う佐天さんと初春にも伝えてました」

「な!? なんで佐天さんたちと…? そんなの許せない…!!」

「ふん。あなたがどう思っても、もう関係ないんですの」

黒子は凍りつくような表情でムチを取り出した。

「ははは……黒子……まかさそれで私を叩こうっての…?
 言っておくけど……私はレベル5よ? ただで済むと思ってるの?」

「黙りなさい」


288:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 23:10:53.27 ID:xh9hPofq0

「~~~~~~~~~~~~~~~!」

振り下ろされたムチがしなる。
美琴の痛みは想像を絶し、叫びは言葉にすらならないほどだった。
黒子のスキルは上級者のものだ。

数分後。


「お姉さま? 体中血だらけになってしまいましたね。
 お塩を塗って差し上げますわ」

「ssddfklkklf~~~~~~~~~~~~~~~!?」

黒子の蓄積した恨みは相当なものだった。
激痛のあまり美琴が何度も気絶するが、冷水を顔にかけて起こしてやった。

「うふふふ。お姉さまが愛した当麻様は私がもらっていきますわ」

なにやら怪しい宣言をする黒子。こうして二人の愛の夜はすぎていく。


290:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 23:14:25.19 ID:xh9hPofq0

話は再び上条サイドへ戻る。

上条は翌日の学校で地獄を見た。

昨晩は一睡も出来ず、授業中は猛烈に眠かったので、
教師に注意されぬよう巧みなトリックを用いて事なきを得た。

休み時間や昼休みは全て睡眠に使い、
青ピや土御門に怪訝な顔で見られた。

夜を徹してエロゲーをプレイしたと伝えたら簡単に納得された。
彼らにとって上条の認識はその程度なのである。

計り知れない声フェチである上条は、世間的には普通の学生だった。

そして全ての授業が終わり、スーパーで買い物して家に帰った。

静粛に玄関の扉を開ける。

「た、ただいま帰りましたよ。インデックスさん」

「……」

禁書はそっぽを向いている。


291:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 23:18:15.20 ID:xh9hPofq0

「あの……まだ怒ってますか?」

「……ち。うざいんだよ」

禁書は舌打ちした。

「……」

「……」

沈黙したまま5分が経過し、上条は泣きながら寮を飛び出した。

全力疾走し、気がついたら公園に来ていた。

「うぅ……ぐ……ぐふ……うえ……えっぐ……ひぐ……」

いつかのように四つんばいになり、子供のように泣き続ける。
まるで誰かが慰めてくれることを期待した幼児のような姿。


292:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/14(火) 23:22:08.76 ID:xh9hPofq0

そこへ通りかかった淑女がいた。

「あら。上条さん。ごきげんよう。今日はどうされたんですか?
 泣いてらっしゃるようですけど…」

涼しい顔の黒子だった。 上条に近寄り、

「大の男が大泣きしてみっともないですわよ。
 ハンカチで涙をを拭きなさいな」

「え?」

差し出された上品なハンカチ。
上条は感動してさらに泣きそうになった。

「おまえは…俺をなぐめてくれるのか?」

「うふふ。わたくしとてジャッジメントの端くれ。
 お悩みがあれば相談に乗りますわ。遠慮なく話してごらんなさいな」

にっこりと笑う黒子。上条にとっては聖母のようだった。


336:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:40:28.28 ID:+6YbMGV50

______________________________________________


上条は全てを話した。黒子の前で嘘をつく理由が無いからだ。

黒子は相槌を打ちながら真剣に聞いてくれた。


一通り聞き終わると黒子は立ち上がり、

「話はよく分かりました。つまり上条さんは禁書ちゃんと
 仲直りがしたいというわけですのね」

「ああ。でも中々機嫌を直してくれなくてさ」

「同棲しているだから喧嘩することはよくあるでしょう?
 その時はどうやって仲直りしてますの?」

「そうだな……」

上条が顎に手をあてる。


338:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:44:35.64 ID:+6YbMGV50

「あいつは食べるのが好きだから……おいしいものを
 作ってやったら喜ぶかも」

「それですわ。では、さっそく食材を買いに行きましょう」

黒子は上条の手を引いて歩き出す。


「え? え? まさか…手伝ってくれるのか?」

「もちろんですわ。わたくし、困ってる人を見たら
 助ける性質ですの。あなたのようにね」


黒子がウインクしたので、上条はドキッとしてしまった。


339:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:48:14.18 ID:+6YbMGV50

「おそいんだよとうまぁ!! もうお腹すいて死にそうなんだよ!!」

帰宅後、開口一番に怒声をあびせる。インデックスは怒っていた。

「こらこら。居候ちゃん。あなたが怒るのもわかるけど、
 普段から骨を追っている上条さんの苦労も少しは考えなさいな」

買い物袋を持った黒子がたしなめる。


「え……だれ。このひと…。もしかしてとうまの浮気相手?」


インデックスが眉間にしわを寄せるが、黒子は冷静だった。


「わたくしは上条さんの友達ですの。はじめまして。白井黒子と申します」

「え…? えっと……インデックスって呼んでほしいんだよ。よろしく…」

黒子が優雅にお辞儀したので、インデックスが慌ててしまった。


340:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:52:28.97 ID:+6YbMGV50

だがすぐに不機嫌になる。

「ちょっと、どういうこと! また別の女を連れてくるなんて節操がないんだよ!!」

彼女の怒りは当然だった。上条は久しぶりにインデックスと
会話できることをうれしく思いながら話した。

「いや。おまえにおいしいものを食べさせてあげようと思ってさ。
 白井って料理が得意らしいぞ。それに今日、すげえ食材を買ってきたから
 きっと気に入ると思うぞ」

「……ふーん。おいしいものってどんな?」

「高級和製ステーキ肉」

「!?」

インデックスは気絶した。


それからしばらくして…


341:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 12:56:08.41 ID:+6YbMGV50

「できましたの」


テーブルに用意されたのはステーキ定食。
肉の乗った皿にはサラダとポテトが添えられている。さらに専用のたれまで。

ご飯と味噌汁はごく普通だが、ステーキの存在感が凄まじい。
むしろ乗せられている皿がしょぼいほどだ。

「「い、いただきます」」 「召し上がれ」

上条と禁書は慎重にステーキ肉を食べる。

口に入れた瞬間に漂う風味と触感は最高だった。
まず、一口噛んだだけで普通の肉と弾力が違うのが分かる。
さらに専用のたれと肉汁が合わさって絶妙の味をかもし出している。

「……」

上条たちは無言で食べていた。普段のもやし炒めなどとは比べ物に
ならないセレブの味に絶句してしまったのだ。


342:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:04:06.56 ID:+6YbMGV50

落ち着いているのはそのセレブの黒子だけだった。

「禁書さん。お口にソースがついてますのよ」

ナプキンで禁書の口元を丁寧に拭いてやる。

食事中の黒子は姿勢をピンと正し、ナイフとフォークを
使いこなして粛々とステーキを食べていた。

(さ、さすがはお嬢様だぜ。住んでいる世界が違うな…)

上条がそう思うのも無理はなかった。
椀に乗せられたご飯と味噌汁があって幸いだった。
もしパンやスープなど出されたら、完全な洋食になりそうだった。

(おいしいんだよ…こんなおいしいもの食べたことないんだよ…)

禁書は密かにこの料理を絶賛していた。
黒子が家に押しかけてきたのは腹が立ったが、こんな
豪華なものをご馳走されては文句は言えない。


343:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:08:07.55 ID:+6YbMGV50

「禁書目録ちゃん。私のお肉を少し分けて差し上げますわ。
 本当はマナー違反ですけど。どうぞ召し上がれ。あーん」

「あーん」

禁書が黒子が差し出したフォークに噛り付く。

黒子は早めに食べ終えて暇そうにしていたインデックスに気を利かせたのだ。


「ところで、当麻様」 と黒子。

「な、なんだい?」

上条はつい緊張してしまった。

「明日のご予定は空いてます?
 もし良ろしければ、わたくしとデートしませんか」

「デート? ああ。もちろんオッケーだよ」

断る理由は無かった。今日は夕食まで黒子に世話になったし、
好意を向けてくれる女の子を無下にすることなどできない。

その後も上条たちは恐縮しつつ、その日の夕食を終えた。
黒子は片づけをした後すぐに帰った。


344:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:13:00.13 ID:+6YbMGV50

そして約束の休日。

上条は公園の自販機の前で叫んでいた。

「前から思ってたけどさ! この自販機で販売されてる飲み物って
 おかしくないですか!? 何このイチゴおでんって!?」

喉が渇いたので珍しくジュースを買おうと思ったのだが、
そのあまりのふざけたラインナップにブチ切れたのだ。

「カツサンドドリンクとか! ガラナ青汁とか何これええ!?
 誰得だよ!! 消費者を馬鹿にしてるとしか思えません」

むしゃくしゃしたので、自販にワンパン食らわそうとしたが、
通りすがりの女子中学生が声をかけてきた。

「そうかしら? 意外といけるわよ? カツサンドドリンク」

「なぬ?! お、おぬしは!?」

「久しぶりね。当麻」

女子中学生は常磐台中学の制服に身を包んでおり、髪型は
茶髪のショートカット。爽やかに微笑むその美少女は
間違いなく御坂美琴だったのだが……


345:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:18:01.49 ID:+6YbMGV50

「うわあああああああ!?」

上条は情けない声を発しながら尻餅をついてしまった。

一見するとただの奇行だが、もちろん理由はある。


「うふ。そんなに驚いてどうしたの?」

上条に手を貸して起こしてくれる美琴は、この上ないほど気品に満ち溢れている。

香水でもつけているのか、いい匂いが漂っていた。


(え…? だれ? この可愛い女の子?)

上条の顔はなぜかシマウマになってしまった。

優しそうに微笑む美琴からは邪気が全く感じられない。
未知の生物との一時接触に等しいこの興奮は、
どう表現したらいいか分からないほどだった。


346:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:22:25.16 ID:+6YbMGV50

「当麻。この後暇かしら? 良かったら一緒にかいも…」

美琴が言い終わる前に、

「当麻様ぁ~~。お待たせしてすみませんの!」

可憐なるジャッジメント・黒子嬢がツインテールを揺らしながら走っている。


「はぁ……はぁ……ちょっと野暮用が入って遅くなってしまいました」

黒子が息を切らしている。それだけ急いでいたのだ。

なお、黒子とのデートの待ち合わせ場所がこの公園である。


「あら、黒子じゃない。あんたも当麻に用があるの?」

美琴が変わらぬ笑顔で話しかける。

「ええ。わたくし、当麻様とデートの約束をしておりますの」

対抗するように黒子も笑顔。


347:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:26:36.69 ID:+6YbMGV50

「へえ。そうなんだぁ。ちなみにどこへ行くの?」

「ショッピングモールまで」

「それなら私も一緒に行ってももいいかな? 
 ちょっと買い物する用事があるんだけど」

「それは遠慮していただけませんか。わたくしは
 大好きな当麻様と二人きりで行きたいので」


黒子は強気な姿勢だ。美琴は苛立ち、髪の毛にわずかな電流が流れる。


「黒子ってさ。もしかして当麻と付き合ってるの?」

「いいえ。まだ友達の関係ですが。かなり親密ですわよ。
 先日は食事をご一緒させていただきました」

「私だって何度もあるよ。てか私は当麻の彼女なんだけど。
 そうだよね? 当麻」

妙な迫力の美琴が尋ねる。


349:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:31:44.91 ID:+6YbMGV50

「ほえ?」

上条は突然話を振られたので驚き、間抜けな反応しか返せない。


ここで黒子が間髪いれずに口を挟む。


「とにかく! 当麻様はわたくしと買い物に行く約束を
 しておりますの。それではごきげんよう」

黒子が強引に上条の手を引っ張るが、美琴は食い下がる。

「当麻ぁ。今日は私と一緒にお出かけしようよ」

反対側の手を握る美琴。


(ちょ……これ何年前のギャルゲーですか?
 二人とも目が全く笑ってないよ!? 俺びびるよ? 泣くよ?)

シマ条さんは心の中で盛大に突っ込みを入れたが、
取り急ぎこの状況の改善に努めなければならない。


351:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:35:22.49 ID:+6YbMGV50

「よしよし! 分かったよ。ここは間を取って皆で買い物に行こうじゃないか!! 
 それなら平和ですむ。うん。そうしよう」

シマウマのような顔をしている彼だが、基本的には平和主義者だ。

やむをえない事態には武力を振るうが、犠牲が出ない方法が
あるのならそれに越したことは無い。


「仕方ありませんね。当麻様がそうおっしゃるのでしたら…」

「さすが当麻ね。話が分かるわ」

唇を尖らす黒子と、上機嫌な美琴が対照的だった。


352:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:40:06.60 ID:+6YbMGV50

ちなみに、なぜここに美琴がいるのかというと、話は数日前にさかのぼる。
監禁されていた美琴は見回りに来た寮監に発見され、拘束を解かれた。

そして『過激なSMプレイは教育に悪いからほどほどにするように』と
なぜか美琴が説教を喰らうことになった。さらに食堂の清掃を命じられ、
泣きながらそれをやり通したわけだが、美琴の内面で何かが目覚めようとしていた。


掃除を終えると、美琴はある種の悟りを開いた。


黒子に虐待され、数日間に及ぶ断食と拷問を経て、
頭の中がすっきりしてしまった。つまり今まで持っていた邪な考えが
消えうせ、真人間に生まれ変わろうとしていた。


過去、天邪鬼な性格が災いして上条につらく接してしまったが、
今では自分の素直な気持ちを伝えること出来る。もう二度と
あの時の過ちは犯さないと誓った。


そして冒頭の自販のシーンへと進むわけである。


354:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 13:44:10.98 ID:+6YbMGV50

一同はショッピングモールの洋服売り場に来ていた。


「このお洋服はわたしに似合いますでしょうか。当麻様」

試着室でノンスリーブのワンピースを着た黒子。
シックなデザインが彼女の雰囲気にマッチしている。
細い手足がすらりと伸びて健康的だ。

上条を熱っぽい目で見ながら問いかけていた。


「ああ…いいな。清楚な感じで白井にすごく似合ってるんじゃないか」

上条は顔を赤くしながらそう答えた。
女の子の服選びをするのは初めてだったので緊張していた。


「うふふ。遠慮なく黒子と呼んで下さいまし。
 お姉さまには下の名前で呼んでらっしゃるのに……」

黒子がそう言って微笑むが、なぜか上条の背筋が凍った。


361:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 14:57:10.72 ID:+6YbMGV50


_______________________________________________

「とうまぁ! こっちで私と一緒にパジャマを選んでよ」

数メートル離れたところから美琴の声。

「おう」

上条はそちらへ近寄る。

「このパジャマのデザイン、どうかな。子供っぽくないよね?」

「うん。割とシンプルな感じだし、悪くないかな」

「うふふ。そっかぁ。それじゃあ試着してくるから待っててね」

嬉々として試着室へ消える美琴。


362:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:04:44.01 ID:+6YbMGV50

まもなくしてカーテンを開き、パジャマ姿の美琴が

「どうかな…? 似合ってる?」

夏物のパジャマを身に着けた美琴が恥ずかしそうに足をもじもじさせていた。

薄い生地が彼女の身体のラインを強調させ
て妙に色っぽく、またゲコ太のような
子供っぽいプリントは一切存在しないその柄に上条は……


(ふぉおお……ふぅう。俺は人間だ)


シマウマキャンセラー(略してシマキャン)を発動させて落ち着く。


「なんていうか。美琴らしくて素敵だと思う。
 俺はそのパジャマ、好きだよ」

「本当? うれしいわ。これ買うことにするわね」


364:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:10:42.70 ID:+6YbMGV50

レジに足を運ぶ美琴だが、上条とすれ違う際に耳元でそっと…


「私のパジャマ姿を見て興奮したでしょ?
 黒子に飽きたら、いつでも私に乗り換えてね」


人を惑わすようなことをつぶやくのだった…。


そして華麗にウインクして上条の視界から去っていく。


(あれが本当に御坂美琴なのか……?
 やばい…マジで惚れそうなんだけど…)

上条は口を開けて立ち尽くした。


そんな感じで二人の淑女に連れまわされ、
モール内のあちこちを回った上条である。

やがてお昼時になったのでレストラン街へ足を運ぶ。


365:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:17:26.16 ID:+6YbMGV50

訪れたのは安価なファミリーレストランだ。
ドリンクバー付きのイタリアンレストランのチェーン店。


「三名様でよろしいですか?」

ウエイトレスに四人用のテーブルへ案内された。

上条の対面に黒子と美琴が座る。


すると、さっそく口論が始まった。先端を切るのは黒子。



「お姉さまがこんなに執念深いとは知りませんでしたわ」

「……なんのことかな?」

「当麻様に対してです。実質的にあたなは一度振られたような
 ものでしょうに。なぜまだ付きまとうのです?」


367:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:26:11.94 ID:+6YbMGV50

振られた、という単語に美琴の眉がわずかに動く。

「本当にそうかしら? まだ当麻の口から直接聞いてないから
 分からないな。人の感情って揺れ動くものよ。まして私達は
 まだ学生だしね。たった一日夕飯を共にしただけじゃ
 すぐ飽きられるんじゃない?」


黒子が涼しい顔で冷水を飲んだ後、会話の応酬が開始される。

「付き合った時間はともかく、人付き合いをするには礼節が必要ですの。
 当麻様の家にいらっしゃるあの可愛らしい居候さんは、私のことを
 とても気に入ってくれましたのよ。もっとも、禁書さんが
 お姉さまに対してどうゆう感情を抱いているかは知りませんけど…」

「聞いた話によると、昨晩はずいぶん高いご馳走を振舞ったそうじゃない。
 強引に恩の押し売りをするのが礼節といえるのかしら?
 そんなのお金にモノをいわせればどうにでもなるじゃない」

「お姉さまがどこでその情報を仕入れたのかはあえて聞かないで
 おきますね。…確かに私は多額の出費をしましたが、
 暴力で人の心を支配するよりはずっとましだと思いますよ」


ここで両者は無言になり、場の空気が凍りつく。


368:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:33:12.90 ID:+6YbMGV50

「ふうん。言ってくれるわね?」

「お姉さまこそ」


わずかな沈黙をはさみ、どちらからともなく笑い始める。


「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」

「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」



ファミレスは魔界化した。


(ちょっと、なにこれええ!?)

上条は先生に説教をされている生徒のように
うつむき、縮こまるしかなかった。


370:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:40:05.46 ID:+6YbMGV50

「お待たせいたしました」

ここでウエイトレスが恭しく料理を配膳する。
注文したメニューがすぐにやってきたのは
客足が少ないので店が暇だからだ。


「ご、ごゆっくりどうぞ」

従業員は怖気づいたのか、ご注文は以上でよろしいでしょうか、
というお決まりのセリフすら省いて逃げるように去ってしまった。


「当麻。私のドリアを食べてみない?」

と美琴の声。


(ほら! やっぱりこのパターンだ!)

予感が的中した上条の背中に冷や汗が流れた。


372:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:42:38.00 ID:+6YbMGV50

美琴は上条の返事を待たずにドリアをすくい、
スプーンを差し出してくる。


「当麻様。こっちのピラフはいかがですか?」

同じように黒子のスプーンも伸ばされる。

二人のお嬢様はテーブルから身を乗り出して当麻に決断を迫っていた。



(はい……どっちを選んでも死亡フラグの完成です!)

上条は今にも泣きたかった。

例えるなら、怒れる二人の淑女と一匹の哀れなシマウマの図である。

彼は、『誰もが望むハッピーエンド』を望む症候群に罹っている男だ。
二者択一のこの状況ほど悲しいものはない。


373:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:46:59.54 ID:+6YbMGV50

「お姉さま。あなたがしつこいから当麻が困ってますわよ」

「黒子こそ。私に対抗してるのが見え見えじゃない?」


シマ条の眼前の二人は火花を散らしている。

「おーい! それなら両方交互に食べるってことでどうだ!?
 それなら文句無いだろ?」

「……」


上条の提案に不満そうな二人だったが、最終的には納得してくれた。

緊張感のある食事は異常に長く感じられた。

レストランを出た後も色々な場所を訪れたが、
そのたびに美琴と黒子は言い争いをしていたので
上条の神経が極限まですり減らされた。

二人はまるで噴火寸前の火山のようだった。



395:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 20:59:59.36 ID:+6YbMGV50


そして日が暮れて開放され、上条は家に帰った。

「ただいま。インデックス」

「…」

だが、いつもの返事は帰ってこなかった。


「あ、寝ていたのか」

禁書目録はベッドの上ですやすやと眠っていた。

無防備な顔で寝息を立てているその姿は、
健全な男子高校生の性欲を刺激する。

(っふぉお。っと、俺は人間…)

即シマキャン発動である。


399:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:04:32.18 ID:+6YbMGV50

上条は座禅を組んで10分ほど瞑想した後、
昨日買ってきた食材で適当な料理を作って禁書に振舞った。



日付が変わって翌日。


「ふぁああ。だり」

朝のホームルーム前の時間。
上条は机の上でだらけていた。

昨日は休日だというのに精神的に疲れ果ててしまった。


「カミやん。また女の子とフラグを立てたのかにゃー?
 女関係で苦労してそうな顔しるぜよ」

金髪のグラサン野郎が適確な指摘をしてくる。


400:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:10:26.16 ID:+6YbMGV50

「土御門。誰に聞いたのか知らねえけど、
 複数の女の子に迫られるのは楽じゃないぞ?」


ここで青ピ登場。

「はは。カミやんは無意識のうちに女の子と仲良くなるから
 罪なんやで。最近では常磐台の生徒さんの一部がカミやんの
 ファンになってるって噂やん。腹が立つからいっぺん死んでみては?」

「それこそ悪い冗談だ。俺がお嬢様たちに好かれるわけないだろ」

「そうかなぁ? 昨日、中学生二人と楽しそうにショッピングしてる
 カミやんを見た人がおるんやけど」

「……たぶん気のせいだよ。別人だ」


上条は適当に誤魔化した。


402:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:16:10.11 ID:+6YbMGV50

そして授業を適当にやり過ごし、帰宅する。

今日は補修があったのでいつもより遅くなってしまった。
成績が悪いのは自業自得なのだが、それでもストレスは溜まる。


(あー。今日は夕食作るのだりぃな。
 誰か変わりに作ってくれればありがたいんだが…)

と考えながら玄関を開けると、

「おかえりなさいませ。当麻様」

「…!?」


上条は激しく混乱し、扉を閉めてしまった。


403:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:17:55.97 ID:GuAiUDK70

┃|  三
┃|     三
┃|  三
┃|    三
┃|  三
┃|
┃| ピシャッ!
┃|  ∧∧
┃|  (;  ) 三
┃|⊂    \


406:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:23:46.30 ID:/bGcZlZi0

>>403
はやいよwww準備してたんかいwww


405:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:21:20.96 ID:+6YbMGV50

「ふぅ」

深呼吸して落ち着き、もう一度扉を開ける。


「どうしたんですの、当麻様?」

「……!?」

やはり動揺してしまうわけだが、何度目をこすっても
目の前にいるのは白井黒子だった。なぜかエプロンをしてる。


「ほら、あなたも挨拶しなさいな」

黒子に促され、禁書も当麻を迎える。

「おかえりなさいなんだよ」

禁書に口を聞いてもらえただけで上条は飛び上がりたいほど
うれしいのだが、今はシマウマになっている場合ではない。


407:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:26:15.76 ID:+6YbMGV50

「な、なななんああ…なぜ白井がここに!?」

「今日は非番の日ですので、当麻様にご飯を作りにきましたの」

黒子はエプロン姿だった。

上条はの気持ちはうれしさ半分と驚き半分だった。


「そうかそうか。それはありがたいな…」

「ご飯ができるまでもう少し時間がかかりますので、
 先にお風呂にいたしますか?」

「…風呂できてんの?」

「はい。事前に準備しておきましたの」


にこにこと笑っている黒子。

見ているだけで癒されてしまうほどだった。


408:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:31:09.14 ID:+6YbMGV50

上条はお言葉に甘えて汗を流すことにした。

着替えをしながら、

(黒子はどうして俺に尽くしてくれるんだろう?)

これは上条がずっと疑問に思っていたことだが、
今は考えても分からないので湯船につかる。


「はぁ……」

ぼーっとしながらため息をつく。

もくもくと湯気が立ち上がり、視界を曇らせる。
お湯の温度はちょうどよくて心地よかった。


(誰もが望むハッピーエンドか……)

浴槽に背中をあずけながら両手を広げ、天井をあおぐ。


409:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:37:18.46 ID:+6YbMGV50

(そんなもの、ありえないって分かってる。
 俺は子供のようにピュアだ。まだそんなことを信じて生きている…)


風呂は上条が一人きりになれる貴重な場所だった。

他の場所だと居候のインデックスがいるからだ。
ここは疲れを癒すだけではなく、考え事をする場所でもあるのだ。


(土御門たちの言葉を借りれば、俺はたくさんの女の子たちと
 フラグを立てまくっている鬼畜野郎らしい……。
 だが、俺は意識してやったわけじゃねえ)


ゆらゆらと揺れる水面を眺める。

黒子が気を利かせてくれたのか、入浴剤が入っている。
心地よい香りのおかげで気持ちがやすらぐのだった。


410:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:43:06.45 ID:+6YbMGV50

(だが、女の子たちに好かれているのは事実だ。
 いつかは誰か一人を選ばなければならないのだろうか……)


そこまで考えた後、贅沢ものにはもったいないほどの
例のセリフを吐こうとしたが、

「お背中を流しますの」

「!?」

黒子が入ってきた。

衣服は着ているので邪な考えはないのが分かる。

だが、上条は大いに困惑した。


411:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:48:04.95 ID:+6YbMGV50

「そんなに驚かないで下さいまし」

「はわあわわわ」

「そんなに脅えた顔をされるとショックですわ。
 エッチなことは考えてませんから安心して下さいな」

「ほ、ほおおお?」


上条は呂律が回らなくなったが、
成り行きで黒子の言いなりになった。


黒子はナイロンタオルにボディソープをつけて泡立てる。

「殿方の背中って大きいですわ」

そんなテンプレなセリフをつぶやきながら丁寧に洗ってくれる。


414:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 21:53:48.86 ID:+6YbMGV50

(はは。まるで夫婦のような関係になってしまったな……)

上条は口には出さないが心の中でそう思った。


しばらくして落ち着きを取り戻したので、
気になっていたことを黒子に聞いてみることにした。

「なあ黒子……。 おまえが俺に優しくしてくれるのは…」

そこまで言ったところで黒子は全てを察したのか、

「別にお姉さまに対抗しようとしたわけではありませんの。
 わたくしは……上条さんを慕っていますわ」


黒子は手を休めて語り始めた。


423:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:02:38.42 ID:+6YbMGV50


内容はこうだ。

以前は美琴お姉さまを追いかけるのに夢中だったが、ある日を
境に豹変した美琴に虐待され、その忠誠心を完全に失った。

あの想像を絶する苦痛により極限までストレスが
溜まり、黒子の内面を変えてしまった。

「お姉さまに殴られたときはショックでされるがままでしたけど、
 きちんと復讐しましたわ。それはもうたっぷりと…」

黒子はテレポーターだ。能力者である以上、精神的な苦痛で
集中力が途切れると支障が出る。だが、いつまでもやられるだけ
ではなかった。ジャッジメントとして緊急時の訓練を受けているのだ。


424:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:08:55.48 ID:+6YbMGV50

「次第にお姉さまのことを敵と認識するようになりましたの。
 今まで大切にしていたモノが憎しみの対象に変わるのは滑稽でしたわ」

そして一通り仕返しをした後、黒子の頭は真っ白になった。

殺意の赴くままに美琴を監禁して痛めつけたが、残るのは空しさだけ。
あれだけ必死でムチを握っていた自分の手がガラクタのように思えた。


「しばらく誰とも話さない日々が続きました。そしてある日、
 私は生まれ変わりました。同性愛者を卒業して真人間になりましたの」

昔から群れることを嫌い、周囲の女の子と関わろうとしなかったが、
次第にその考えが変わった。

女の子達は噂話が好きだ。女子校ともなれば自然と学外の男子の
噂話が飛び交う。彼女達は素敵な出会いに飢えているのだ。


427:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:14:46.27 ID:+6YbMGV50

「当麻様の噂話をする子もいましたわ。
 あなたが以前助けた常磐台の女子生徒を覚えてらっしゃいますか? 
 あの方が当麻様の武勇伝を語っておられましたの」

「? ああ。あの子のことか」

上条は最初誰のことか分からなかったが、やがて合点がいった。
彼は人助けを日常的にやっているので、いちいち助けた人を覚えていないのだ


「お恥ずかしいことなのですが、わたくし、まだ殿方とお付き合いを
 したことがありませんの。当麻様のお話を聞いてすごく興味を持ちました」

さらに付け足すと、黒子はジャッジメントとして働いているので
正義感は人一倍強い。そして同様に正義を貫こうとする上条の姿に憧れを持ったらしい。


428:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:20:55.66 ID:+6YbMGV50

「でもわたくしと当麻様はまだ知り合ったばかり。
 きちんとお話すらしたことがない仲でしたわ」

そこで上条と親睦を深めるため、禁書を怒らせて
困っていた上条の悩み相談に乗ったわけだ。


だが、上条には負に落ちない点があった。


「俺は今でも他の女の子達と仲良くしているわけだが、
 それでもいいのか?」

「別に気にしません。わたくしは殿方を自分に縛りつけようとは
 思いませんわ。力で屈服させても心は離れていきます。それよりも
 殿方に尽くして振り向かせる努力をするよう心がけておりますの」


429:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 23:26:56.22 ID:+6YbMGV50

少しの沈黙の後、

「……例えば俺が禁書と仲良くしても嫉妬しないのか?」

「しないといえば嘘になりますけど、怒ったりはしませんわ。
 最終的に当麻様に選んでもらえればそれでいいですの」


そうして黒子は話を切り上げ、上条の背中をシャワーで流して去っていった。


(やべえ……本物の淑女だぞあいつは……。
 ノーマルな黒子にこれほどの破壊力があるとは……)

風呂場から出たとき、上条の顔は色々な意味で真っ赤になっていた。
美琴とは全く異なる魅力を持つ黒子に、本気で惚れそうになっていたのだ。



463:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:38:50.13 ID:8OE2ub7o0


食卓には、すでに夕飯が並べられていた。

「すっごくおしかったよ!! くろこって料理すごく上手だね!!」

満面の笑みの禁書が、ちょうどオムライスを食べ終えたところだった。
上条が風呂からあがるまで我慢できなかったので、一足先に
食事にありついたのだ。


「うふふ。そう喜んでもらえると作りがいがありますわ。
 あら…お口が汚れてますのよ」

黒子は余裕のある態度で禁書の口元についたケチャップを拭いていた。

当麻の姿を確認すると、

「当麻様、お待ちしておりましたわ。
 今日はオムライスを作ってみましたの」


466:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:43:59.88 ID:8OE2ub7o0

テーブルにはシンプルなオムライスとコンソメスープ。
それとサラダを少々。

前回の高級素材から一転して素朴なメニュー。
上流の食事に不慣れな上条達に気を使ってくれたのだ。


湯上りでぽかぽかしている上条は、黒子のツインテールを
見ていると頭がふらふらしてきてしまい、

「あ…。当麻さま……?」

その細い身体を抱きしめてしまった。


(と、当麻様…。まだ食事の前ですのに…)

黒子は心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。

力強い男の腕に抱き寄せられたのは初めてだった。
上条の身体は見た以上に筋肉質でごつごつしていた。


468:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:49:44.36 ID:8OE2ub7o0

(いけませんわ……わたくしったら……体が熱くなって……
 ……黒子は、はしたない子ですわ……)

そう思いつつも、黒子は離れることが出来なかった。
おもむろに上条の背中に手を回そうとしたが……


「ふがー。ぐがー」

場の雰囲気をぶち壊すかのように、満腹の禁書ちゃんが
口を開けて寝ていた。食休みのようだ。
あまりにだらしない顔をしているので色気のかけらもない。


黒子が息を軽く吸った後、小声でつぶやいた。

「オ、オムライスが冷めてしまいますわ…」

「ああ、そうだな…」

短い言葉を交わし、上条は抱擁を解いて食卓に着いた。


471:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 13:54:35.60 ID:8OE2ub7o0

黒子の作った料理は家庭的なものだが十分な出来だった。

オムライスには正しい分量で配分された材料がみごとに
マッチしており、一口食べただけで黒子の技量が分かるほどだ。


禁書が寝ているのをいいことに二人は隣に座っていたが、
先程の抱擁のせいで妙な雰囲気になってしまい、しばらく無言が続いた。


気まずくなった上条がテレビをつけると、ちょどニュースの時間だった。


男性キャスターがはきはきと読み上げる。

『本日午後、魔術師を名乗る外国籍の男性・ステイル氏が女子中学生に
 わいせつな行為を働いたとして逮捕されました。ステイル氏は、女子中学生が
 自身の大好きな禁書目録という少女に似ていたため、反抗に及んだと供述しており…』


472:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:00:46.55 ID:mANGbKBP0

ステイルさんじゅうよんさいさん何してんスかwwwww


473:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:01:14.65 ID:Ill7iz1z0

14歳なのに実名報道だと・・・?


476:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:10:50.18 ID:/EnNKy7y0

黒子が感想をぼやく。

「さ、最近は痴漢が多いですわね。特に教職員などの公務員の方々が目立ちます」

「そ、そうだな。まったく、これだから大人って奴は…。 
 黒子も狙われないように気をつけろよ」

「……私を心配してくれますの?」


二人は目をあわす。


「もちろんだよ。だって黒子は……か、可愛いからな!」

「…!」


言い終わった後に真っ赤になる上条。それは黒子も同様だった。


両者の間で時間が止まってしまった。


477:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:14:25.86 ID:/EnNKy7y0

キャスターは淡々と罪状を読み上げ続ける。

『また、ステイル氏は「自分は14歳だからロリコンではない。あんまり僕を
 舐めてると魔術を使うぞ」などと発言しており、警察ではステイル氏が
 容疑から逃れるために年齢を詐称している可能性が高いとして、
 身元を調べることに全力を注いでいます』



「……」

ロリコンティウスの異名を誇るステイルが大変なことになっている頃、
黒子は上条の膝の上に乗っていた。


「黒子の髪、きれいだな」

「褒められると照れてしまいますわ。
 毎日お手入れしてますから。気がすむまで触ってくださいまし」

黒子は髪の毛を下ろしてた。
ウェーブがかかった髪が肩まで垂れている。


478:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:19:50.16 ID:/EnNKy7y0

「……」

二人は静かだった。それだけ緊張していたのだ。

髪も身体の一部というが、上条は黒子の茶色い髪を触るだけで
信じられないほどドキドキしていた。

床でぐーすか寝ている禁書がうらやましいほどだ。


なお、上条はシマキャン発動済みだ。でなければ大変なことになっている。
鬼畜を卒業して純情になると誓ったので、年相応のピュアな状態なのだ。


沈黙に耐えられなくなりそうなので、上条が口を開く。

「もしかして、髪を下ろした方が似合うんじゃないか?
 いつもより大人っぽくて…その……可愛いかな…」

「ま、まあ。それでしたら明日からこの髪型にしようかしら!」

「……」

「……」

またしても静寂に包まれる。


481:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:24:22.98 ID:/EnNKy7y0

『とうまぁ!! 私のおかずが少ないんだよ!!』


「!?」



突然聞こえたインデックスの大声で飛び上がりそうになる。


『ふがー ふごごごごー』

彼女は大の字で寝ている。今叫んだのは寝言のようだ。



「と、とうまさま…その…手が…」

黒子が顔を赤らめているのは、上条の手が胸を触っていたからだった。
禁書の寝言でびっくりしたので思わず触ってしまったのだ。

彼の名誉のために言っておけば、これは不慮の事故である。


482:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:28:54.17 ID:/EnNKy7y0

「あ、悪い…わざとじゃ…」

上条が罰が悪そうな顔で手を引っ込める。


これは筆者の余談だが、この初心さはとても元鬼畜とは思えない。



「いいですわよ?」

黒子は恥ずかしそうに声を絞り出した。



「え?」

「ですから、もっと触っていいですわよ」


またしても時が止まりそうになった。


484:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:33:12.72 ID:/EnNKy7y0

上条は念のため確認してみた。


「本当に?」


「はい。当麻様ならいいですの。
 胸だけではなく、好きなところを触ってくださいまし」



「……」


上条のシマキャンは、もう発動しなかった。


488:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:37:07.57 ID:/EnNKy7y0

10分後。

『うーん… もっと食べたいんだよ…』

インデックスはまだ夢の中だ。

下品にお腹をぽりぽりかきながら歯軋りしている。



一方、上条達は椅子の上で絡み合っていた。

「あっ んん はぁ はぁ」

「できるだけ声は出すなよ。インデックスが起きたら面倒だからな」

「ん……大丈夫ですの…あの子の…飲み物に…あん……眠くなる薬を…」

「そんなこと……してたのか。お前も……悪だな?」

「それは……お互い様ですの……あっ……」


態勢は対面座位。上条の上に乗った黒子が上下に揺れ続ける。

そそり立つモノが黒子の狭い膣口で締め付けられていた。


490:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:42:23.91 ID:/EnNKy7y0

「く…黒子。乳首が立ってるぞ……?」

「はぁ……あん…………やん……」

黒子は上条の首に両手を回し、体重をあずけてる。

互いの吐息を鼻先で感じるほどの至近距離だ。



(俺は……本当にこれでいいのだろうか…?)


行為の最中に考え事するのは彼の悪い癖だった。

上条は、すでに美琴禁書と関係を持った。
そして今は黒子だ。真人間になったはずなのに
女の子漁りをしているのに変わりはない。


(……)

心の中に感じる、わずかな嫌悪感。


491:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:46:44.47 ID:/EnNKy7y0

「はぁ……すごい…ですの……当麻様の……おおきくて……」

淑女としてあるまじきことだと思いながらも、
控えめに開いた開いた黒子の口からはしたない言葉が発せられる。

「はぁ……はぁ……とうま…さまぁ……」

性の快感から生じる特有の吐息。



黒子の息は甘くてせつなくて、上条の心をかき乱す。

「黒子…!!」

ピストン運動を中断し、黒子を抱き寄せて唇を奪う。

「んんんんん……」

すると黒子の方も舌を絡めてきた。
上条が何もしなくても、黒子が巧みに舌を動かしてリードしてくれる。


492:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 14:52:24.20 ID:/EnNKy7y0

「ちゅ……ちゅう……ん……」

黒子の口の中は子供のように小さい。
重ね合わせた唇からわずかに唾液がこぼれる。

「とうまさまぁ…」

彼女は何度も何度も上条の名前を連呼する。
その声を聞くだけで頭が狂ってしまいそうな錯覚に陥る。


(俺は……)

上条はまたしても自分の世界に入った。
それは迷路のような思考の渦の中だった。


(何をしているんだろう……こんな可愛い女の子と…)

これは黒子との同意の上で行っている行為。
脅したり暴力に訴えてはいない。二人の好意の延長にあるものだ。

それが分かっていても、上条は罪の意識から逃れることはできなかった。
原因不明の毒に犯されたようなものだった。


496:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 16:01:12.47 ID:/EnNKy7y0


「はぁああ あああん あああああ」

今度は正常位だ。

黒子の大きく開いた股の間に上条のモノが挿入されている。

「黒子……ごめんな……」

上条は彼女の腰を掴みながら激しく腰を動かす。
性的には気持ちよくなっているのだが、それほど乗り気ではない様子。
はかなげな表情で黒子と目線を合わせる。

「いいんですの……あっ……私は……うっ……
 いまだけは…あなたの……ものですわ……」

「…」


497:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/16(木) 16:07:47.87 ID:/EnNKy7y0

黒子の目はとろけていて、ひたすら快楽に飢えていた。
いつまでもこんなことを続けてはいけないと判断し、
上条はピストン運動をさらに激しくした。

「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」

聞こえるのは互いの荒い息遣いだけ。

その後、まもなくして二人は絶頂を迎えた。



シャワーを浴びた黒子が帰った後、上条は死んだように眠りに落ちた。




美琴「あんたのこと嫌い」 上条「なん……だと…?」 その3へ

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[ 2010/09/23 17:55 ] 禁書・レールガンSS | TB(0) | CM(1) |このエントリーをはてなブックマークに追加 |このエントリーを含むはてなブックマーク |はてなブックマーク - 美琴「あんたのこと嫌い」 上条「なん……だと…?」 その2
ロリコンティウスwwwww
[ 2010/11/09 02:42 ] [ 編集 ]
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